「メタボになるのは男性ばかり」 女性は「圧倒的に優秀」...!? 診断基準値に隠された衝撃のワナ
毎年1回は受けることが義務付けられている職場健診。健診結果の異常を示す「*」がついた数値には、実は気にしなくて良いものもあれば、今すぐに再検査を受けなければならないものもある。果たしてあなたは診断結果の本当の意味を理解しているだろうか。 【漫画】くも膜下出血で倒れた夫を介護しながら高齢義母と同居する50代女性のリアル BMI・血圧・尿糖・眼底など項目別にその検査結果の正しい見方を解説した『健診結果の読み方』(永田宏著)より一部抜粋してお届けする。 『健診結果の読み方』連載第4回 『厚生労働省「人口の3割以上がメタボ」…高すぎる肥満度のウラには厚労省の驚くべき「思惑」』より続く
「見た目が太っていたらメタボ」という現実
特定健診(メタボ健診)は2008年からスタートしました。具体的には、40歳以上を対象に、従来からの職場健診に「腹囲」が加わりました。 腹囲とBMIの組み合わせで、メタボリック・シンドロームの判定が行われます。またメタボと判定されたひとは「特定保健指導」を受けることになっています。 腹囲はへその位置で測ることになっています。基準値は、男性が85cm未満、女性が90cm未満です。 腹囲が基準値をオーバーし、かつBMIが25.0以上だと、メタボリック・シンドロームと判定されます。正確には、空腹時血糖値と血圧も加味されますが、見た目が太っていればメタボと言われるのが現実です。 厚生労働省や(公)長寿科学振興財団によれば、腹囲が基準を超えているひとは内臓脂肪が溜まっており、将来的にさまざまな生活習慣病のリスクが高まるそうです。また男性のほうが女性より厳しくなっているのは、女性は皮下脂肪が多いから(そのぶん、内臓脂肪が付きにくいから)とされています。
男性のほうが不摂生?
腹囲の分布は、どのようになっているのでしょうか。 男性では40代までは、基準値以下のひとが、ぎりぎり半数以上います。平均値は40代前半で、かろうじて84.9cm。ところが50代に入ってくると、基準値を上回るひとが5割を超え、65歳以上になると6割近くに達しています。 しかも90cmを超えるひとの割合が、40代後半から3割以上になっています。平均値も85cmをオーバーし続けています。ですから腹囲に「*」が付いたとしても、寂しい思いをする必要はありません。友達は大勢います。 一方、女性は85cm未満のひとが、すべての年代で半数を超えています。平均値は50代までは80cm未満、70代になっても82.1cmです。女性の基準値である90cm未満で見ると、40代前半では9割、70代前半でも8割のひとが基準値以下に入っています。90cm以上の割合は、1割から2割に過ぎません。 以上の結果から、腹囲に関しては女性のほうが圧倒的に優秀で、男性は不摂生なひとが多いように見えてきます。しかし本当でしょうか。