アメリカ ナショナルパークへの旅【ビッグベンド国立公園】どこまでも広がる乾燥した砂漠。 多様な生命があふれる大地の最果てにある奇跡の世界
Point 1 野鳥の数が米国の国立公園で最多!
灼熱の砂漠に鳥たちのサンクチュアリがあるとは信じられないが、450種類もの鳥類が生息する。その命を支えるのは、標高2000mの高原を形成するチソス山脈、そしてリオグランデ川が作る渓谷だ。ドライブ中に別名“ロードランナー”のオオミチバシリが、道路沿いを走る姿を目撃することも。
バードウォッチングに最適なのはパーク東部のリオグランデ・ヴィレッジから延びるナチュラルトレイル。1㎞強の短いトレイルだが、たくさんの野鳥が見られる。
Point 2 川沿いの露天風呂ボキラス温泉
リオグランデ・ヴィレッジに近いホットスプリングス・ヒストリック・トレイルを行くと、リオグランデ川の岸辺に作られたボキラス温泉が現れる。これはミシシッピ州出身の実業家がマラリアの湯治に効くとして開発したリゾート跡地。ゴーストタウン化したモーテルなどが放置されているが、お湯は41℃を保ち、今でも入浴できる。川の流れを見ながら旅の疲れを癒すのもいい。トレイルの途中には、岩に描かれたピクトグラムを見ることもできる。
Point 3 国境を旅するリオグランデの川下り
数多くの西部劇の舞台となったリオグランデは雄大なイメージがあるが、実際の川幅はとても狭く、濁った流れの先の対岸メキシコは驚くほど近い。それでも、パークの東部に位置するボキラス・キャニオンからのリバートリップは、切り立った赤土の崖に囲まれた異次元の世界。静寂の中に水の音と鳥の声が混じり合う。一方、パークの西側にはサンタエレナ・キャニオンがあり、大きな岩の間をカヤックで下るロック・スライドが楽しめる。
Point 4 巨大翼竜も生息した化石の宝庫!
現在は広大な砂漠だが、地質学的には複雑な構造をしている。数億年前は海の底だったと考えられ、7500万年前のロッキー山脈の隆起によって多くが形成された。多種多様な生物の化石が発掘されていることでも知られるが、なかでも貴重なのは翼の長さが12mもある翼竜の化石。こんな巨大な古代生物が空を飛んでいたかと思うと驚きだ。そのほかに多くの化石が北部のパーシモン・ギャップ・ビジターセンター近くに展示されている。