店舗での試着は必要なくなるかも？（画像はイメージ）

　近年拡大しているアパレルのEC販売。それに伴ってECで使われる技術も日々進化し、適正サイズを測るサービスなど便利な機能が浸透してきている。一方で通販には、試着ができない、販売促進がしにくいといった課題があった。しかしAI技術の進化により、これまでの課題を打開できそうな新たなサービスが生まれているようだ。一体どのようなものなのか、詳しく見ていこう。 ●AI技術がアパレルのEC販売をサポート 　アパレル業界に革新をもたらしたのが、2024年7月にニュウジアが発表した「AIアパレル試着ソリューション」。AIを使ってオンライン試着ができるというサービスで、スマートフォンで撮影した写真を5枚以上アップロードするだけで簡単に利用することができる。 　具体的には、ユーザーが自身の全身画像と試着したい服の画像をサービスにアップロードすると、ユーザーがその服を着ている画像がAIで生成される。トップス、ボトムス、靴など複数のアイテムを同時にバーチャル試着することもでき、写真だけでトータルコーディネートが可能になるという。 　この技術が浸透すれば、顧客が店舗に赴く手間や返品・交換のリスクを減らし、販売促進に繋げることができる。ECの課題を解決するバーチャル試着は、画期的なサービスになるだろう。 　またOpenFashionは、2024年5月に「AIスタッフサービス」という面白い取り組みを始めた。最近ではAI生成された人物をアパレルのモデルとして起用することが増えてきたが、同サービスではAIモデルをスタッフとして活用。顧客の相談などにもメッセージで対応する。 　多様なAIモデルの中からカスタマイズできるAIスタッフは、顧客と対話をしながら商品の販売促進も行う。モデル・接客・販促と、アパレルスタッフと同等の働きをする「AIスタッフサービス」は、これから人材不足が深刻化する時代の救世主となるかもしれない。様々な分野で浸透してきたAI技術が、アパレル業界にも大きな変化をもたらしそうだ。（フリーライター・佐々木剛） ■Profile 佐々木剛 大手メーカーに勤務後、一念発起してウェブメディア業界に転職。その後フリーライターとして独立し、現在に至る。メーカー時代の経験を活かし、テクノロジー、機械、技術系中心に執筆。