高温で収穫1割強少なめ　出来は平年並み

出荷に向けて柿を選別する職員たち＝多気町四神田のJA多気郡共同撰果場で

　三重県多気郡多気町の特産品・前川次郎柿の出荷が始まった。四神田のJA多気郡共同撰果場で、選果作業が進んでいる。 　前川次郎柿は1957（昭和32）年に仁田の生産者の故前川唯一さんが次郎柿の中に特別早く実が熟す枝を発見。「前川次郎柿」と命名して、全国でも栽培されるようになった。種なしで、富有柿より歯応えが良く、糖度が高く甘みが強いのが特徴。現在、JA多気郡柿部会（奥出一志部会長、約130戸）は約45ヘクタールで生産。2014（平成26）年からタイやシンガポール、マレーシアにも輸出を始めるなど、国内外から好評を得ている。 　今年は高温の影響もあり、収量は昨年より1割強少ないが350トンを目指す。着色は平年より若干遅いが、糖度も乗り出来は平年並みという。出荷作業は12月上旬まで続く。 　作業はパート職員約20人で、最も良い「赤秀」、良い「青秀」に選別し、大きさを6種類に分ける。県内をはじめ名古屋や大阪に出荷している。 　JA担当者は「今年も良い出来。たくさん食べてもらえたら」と話した。