人道支援の従事者、過去最悪の死者数に「壊滅的な打撃」。パレスチナが6割超
国連人道問題調整事務所(OCHA)は12月2日までに、人道支援に従事する職員の2024年の死者数が、過去最悪だった2023年の280人を超えて281人に上ったと発表した。 戦禍でも。大道芸や海水浴、サッカーや授業を楽しむガザの子どもたち。日常を守ろうとする人々の姿を振り返る 支援職員安全データベースによると、2024年に入り世界で281人の人道支援スタッフが犠牲になった。地域別では、ガザ地区を含むパレスチナは最多の178人で6割超を占める。次いでスーダン(25人)、ウクライナとコンゴ共和国(各11人)の順で多かった。死亡した支援者のほとんどは、NGOや国連機関、赤十字・赤新月の現地職員という。 アフガニスタンや南スーダン、イエメンなどでも、暴力や誘拐、ハラスメント、不当拘束といった被害が報告されている。 OCHAのトム・フレッチャー事務次長は、「人道支援者たちの命が、かつてないスピードで奪われています。その勇気と人道的精神が、銃弾や爆弾で迎え撃たれているのです」と述べ、こう訴えた。 「この暴力は不道徳であり、人道支援活動に壊滅的な打撃を与えています。紛争当事者や国は人道支援者を保護し、国際法を順守し、加害者の責任を追及して、この不処罰の時代を終わらせなければなりません」 発表では、人道支援団体から支援を受けた人は、2024年11月時点で1億1600万人を超えたという。OCHAは、人道支援者への暴力は、紛争地帯における一般市民への危害の一部でもあると指摘している。 武力紛争や戦争時に適用される国際的なルールである国際人道法は、軍事目標以外を攻撃の対象とすることや、軍事目標と民間人・民用物を区別しない無差別攻撃を禁止している。