もしも最新ポルシェでパリダカに出たら…クルマ好き、ラリー好きの空想が現実に!(小沢コージ)
【小沢コージ クルマは乗らなきゃ語れない】 ポルシェ 911 ダカール (車両価格:¥30,990,000/税込み) 【写真】ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京を初体験 ちょっとお高い“大人の走る遊園地”だった! ◇ ◇ ◇ ある意味とんでもない夢グルマに乗ることができた。それはポルシェ 911 ダカール。車両価格3099万円、世界限定2500台! 価格や台数だけじゃない。この規格自体が非常にユニークなのだ。 実はこのクルマ、ドイツが誇る本格スポーツカー、ポルシェ 911の限定オフロードバージョンだ。ただし、単にエンジンをチューンしたとか、足周りをイジったカスタムではない。ある種「もしものコーナー」みたいなものであり、「クルマ好きの空想」を具現化したものなのだ。 なぜならポルシェが最新911で現代の過酷なクロカンラリー、ダカールレースに出る予定はない。だが911 ダカールは、まさに「もしも最新911で本格ラリーに出たら?」というガチなカスタムが外観から内装からパワートレインまで施されている。 それは1984年に往年の911の四駆実験車がパリダカに出て、いきなり総合優勝した伝説に基づいている。911 ダカールのラリーデザインパッケージに含まれる「Roughroads PORSCHE」というロゴやカラーは、今は出せない当時のタバコスポンサーのデザインだし、953なる番号も911四駆実験車の型式コード。
ボディ、タイヤ、ドライブモード…すべてが異様に本格的
そのほか、カスタムは非常に本格的。現行四駆モデルの911 カレラ 4 GTSをベースに、3ℓフラット6ツインターボの480ps&570Nmのピークパワー&トルクや8段ギアはそのままに、車高は通常状態で911スポーツサス仕様より5cmも上がっており、最低地上高は161mmとSUV並みだし、スイッチ1つでさらに3cm車高が上がる。 またボンネットや大型リアスポイラー、リクライニングのないフルバケットシートはカーボンブラスティックで作られ、軽量高剛性でガチにこのままレースに出られるクオリティー。ボディ前後パンパーやサイドシルには一部本格的なアルミ構造入りステンレス製プロテクションが取り付けられ、さらにオプションのラリースポーツパッケージを加えると、6点式シートベルトとリアシートを埋め尽くすスチール製ロールバーと消火器が付く。 タイヤも驚くほど本気で、ピレリ専用開発の大口径オールテレインタイヤと、これまた専用開発の鍛造ホワイトホイール付き。 ドライブモードも通常のセレクトに加えて、駆動力配分がリア寄りとなる「ラリー」と車高が自動的に上がる「オフロード」の2つの専用モードが選べ、異様に本格的だ。 まさにプロのラリードライバーがこのままパリダカやラリーレイドに出てもおかしくない仕様なのだ。