〈陸上速報〉100m優勝はスタートでつまづいて10秒05の18歳サニブラウン
陸上の日本選手権、男子100m決勝が24日、大阪のヤンマースタジアム長居で行われ、サニブラウン・ハキーム(18、東京陸協)が激戦を制して、大会タイ記録となる10秒05で優勝した。2位には多田修平(21、関学大)が10秒16で入り、10秒18のケンブリッジ飛鳥(24、ナイキ)が3位だった。また出場選手中トップの10秒01の記録を持つ桐生祥秀(21、東洋大)は10秒26で4位だった。 レースは強い雨が叩きつけ、風は追い風0.6mという最悪のコンディション。この時点で9秒台への可能性は薄れたが、レースは激戦になった。予想通り、10日に追い風参考ながら9秒94をマークした多田が好スタートを切って飛び出すが、25m付近でサニブラウンが並び、30m過ぎにはグイっと前に抜け出した。そこからは独特のフォームで一気に加速。多田がスタート力を生かして追走、6レーンのケンブリッジが得意の後半になって伸びてきたが届かなかった。サニブラウンが中間、後半とスピードに乗ったまま圧倒してトップでゴールした。サニブラウンは予選、準決勝でも自己ベストの10歩06を叩き出すなど、馬力の違いを見せ付けるような安定した力強い走りだった。 レース後、自己ベストで世界陸上に内定したサニブラウンは余裕の笑顔。 「レース前からとてもメンバーが勢ぞろいして凄い楽しみでした。内容的には、雨で9秒台をお見せすることができなかったですけど、これから世界選手権があるので、そこでしっかり結果が出せるように、あと2か月間、練習に励んでいきたい。スタートのところつまづき気味になってしまったが、けっこう、中間、後半の加速は良かったのですが、また練習ですかねえ。世界陸上では決勝に残って、しっかりといいパフォーマンスができればなあと思います」と、ロンドンでの9秒台達成を誓っていた。 また急成長の多田は、「五輪選手に勝てたのは大きいですが、やはり後半が僕の弱み。これからの練習でとり組みたい」と語り、惜しくも4位に終わった桐生は、「足元を救われた。でも時間を戻せないのがこの世界。先に目指すものを失わずにしっかり走る選手になりたい」と前を向いていた。