日本はどんどん貧乏になるしかないのか?「20代男性の4人に1人がED」の衝撃、その背景にある「ごもっともな原因」をアラフィフ男子2名が語る
ご家庭でレスだと「本当にできるのか」確かめようがないですよね
――ここで次の数字です。性交の頻度はどれくらいですかという質問に対しては、「毎日~1か月に1回程度」が29.6%。対して、「1か月に1回未満~1年に1回未満」と「性交未経験」をあわせると70.4%。「1年に1回程度以下」は45.7%です。セックスレスの定義を要約すると「特別な理由がなく性的接触が月に1回以下」なので、「日本人男性は7割レス」という数字がここから導き出されます。 B:あくまでもぼくの周囲の話ですが、正直50代に入ると50%くらいは薬がないと最後まで持たない。でも、それは行為をしている人の話で、してない人は気づかないのかもしれない。7割もできているとは思えない、でもそれもぼくの周囲のオラオラしてる奴らだけの話なのかな。 A:確かに、家庭の内でも外でも、行為がない人はそもそも機能しているかを知るすべがないですね。「このあいだ行った店で」的な「できる話」をする機会は多少はあっても、「できない話」はお互い触れないし。みんな自分ではできてるの? ――はい、自慰の頻度のデータによると、30代をピークに漸減するものの、たとえば50代前半でも下図赤の「毎日~1か月に1回程度」が80%です。 B:これ、家庭内だけでなく、家庭外、浮気とまではいかなくても、風俗の利用も入ってるんですかね? A:いえ、このデータは夫婦間みたいですね。 B:いまググったら、EDの定義は「性交を行うのに十分な勃起を達成または持続できないこと」ですよね。これ、ぼくたちの世代はともかくとして、20代の場合は2つのパターンが一緒になっている気がします。性行為中に萎えてしまう等の持続力についてなのか、そもそも行為に興味がなくて興奮もしないみたいなものか。 ――ちなみにまで、私は別途この調査を主催した医師の取材もしていまして、その中で「ネットで動画を見ているからではないかと思うのです」というご指摘をいただいています。 B:記事中での辻村先生の、アダルト動画が影響しているのではという推測はまったくもって同意です。もうひとつ、ちょっと違う方向ですが、スマホのソシャゲでラスボスを倒した瞬間とか、ずっと狙っていたSRキャラが出た瞬間のドーパミン分泌量って、性行為を上回るらしいんです。日常的にスマホをいじってる子たちにすれば、性行為よりもっと刺激的なことが日常にあるからもう刺激を求めなくなっているのでは?と。 A:私はソシャゲをしないのでわからない部分もあるけれど、それくらいの中毒性があるだろうというのは想像できる部分があります。無限にビックリマンチョコ買える感じですよね。 ――ざっと検索した限りでは性行為とソシャゲの放出ドーパミン量比較を行った研究は見つけられませんでしたが、ソシャゲは相手の同意を必要とせず自己完結で手軽に繰り返せるぶん「それ以上の満足度」を得るまで続けられるため、感覚的には正しそうに思えます。 B:なぜかというと、ぼくの体感なのですが。その存在の是非は別の議論とさせてください、しかし20代をいわゆる風俗店で見かけないんです。本来なら若い子がくるはずの低価格の店舗でも、お客さんがおじさん、最近はそれどころかおじいさんしかいない。昔からずっときているお客さんですね。 A:行く人は行くけれど、行かない人は周囲の友人含めて行かないという、いわば地域性のようなものもありますね。ですから、友人とそういう話をする機会のない若い人はよりいっそう、行くきっかけがないと思います。どうやってお店を探せばいいのかすらわからない。 B:ぼくの友人関係からの推測だと、ぼくたちの世代は大学時代に2人に1人はそういったお店に行っているのではと。でも、いまの若い男の子はお金がないから、ネットの動画でじゅうぶんだし、もっと言うとサンプル動画で十分なのかも。youtubeショート3分30秒を見続けるのが精一杯の努力という世代だから、サンプル動画4分で満足してるんじゃないかなと。 ここまでの前編記事では調査数値をもとに男性を取り巻く現状を対談しました。つづく【後編】記事では「言われてみれば、確かに」と納得感のある意外な対策を語り合います。
オトナサローネ編集部 井一美穂