「救急車」はなぜ「消防署」が管理しているのですか? 病院が保有している方が「効率的」ではないでしょうか?
救急行政の現状や抱える課題は?
救急行政の現状として、救急出動件数・救急搬送人員は年々増加しているようです。 それにともなって救急業務実施体制も充実している傾向にあり、平成24(2012)年と令和4(2022)年を比較しても救急隊数や隊員数、救急救命士資格者数などは増加しているとのデータが、消防庁救急企画室が発表した「救急行政の現状と課題」に掲載されていました。 ただし、社会の高齢化にともなって、今後も救急需要は増加する可能性があると考えられるでしょう。そのため、現状維持のままでは、将来的に救急業務実施体制が不足してしまうおそれがあります。 救急車の数が不足したり、隊員数が足りなかったりすると、出動までの時間がかかってしまうことも想定できるでしょう。これらの体制を整えることが、今後に向けた課題として掲げられているようです。
救急車を消防署が管理している理由は維持にかかるコストが関係していると考えられる
救急車の管理を病院ではなく消防署が行っている理由には、維持にかかるコストが関係していると考えられるでしょう。総務省消防庁の「令和5年版 消防白書」に記載されている情報を基に計算すると、救急車の出動には年間で約3253億円の費用がかかっている可能性があります。 これらを病院の負担にしてしまうと、経営を圧迫するおそれがあります。また、場合によっては救急車の利用に費用がかかる可能性もあるでしょう。さらに組織の仕組みとして、消防が救急業務を実施していることも関係し、管理を行っていると考えられます。 出典 消防庁 救急企画室 救急行政の現状と課題 総務省消防庁 令和5年版 消防白書 第2章 第5節 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部