盗難純金茶わん、主催者に返還 高額転売、代金の扱いは? 警視庁
日本橋高島屋(東京都中央区)の「大黄金展」の会場で4月、純金製の抹茶茶わん(販売価格1040万6000円)が盗まれた事件で、警視庁が証拠品として買い取り店から押収した茶わんが12日までに大黄金展の主催会社に返還された。 【ひと目でわかる】純金茶わんを巡る流れ 茶わんは盗難後、買い取り店に売却、転売されたが、取引は全て無効になり、代金に関する協議も決着がついた。 事件は4月11日昼ごろに発生。無職堀江大被告(33)=窃盗罪で起訴=が高島屋8階の催事場から24金製の茶わん(約380グラム)を盗み、逃走した。茶わんは同日、江東区の古物買い取り店に相場の半額以下とみられる178万円で売却され、さらに即日、台東区の買い取り店に486万円で転売された。 捜査関係者によると、堀江被告の逮捕後、転売取引の有効性と代金の扱いについて、堀江被告側と買い取り店2店が協議した。 堀江被告は茶わんの売却益からスマートフォン数台や家電など計約50万円分を買うなどしており、逮捕時の所持金は約130万円しかなかった。 協議の結果、取引を無効とすることが決まり、同被告は約130万円を江東区の店に、江東区の店は満額の486万円を台東区の店に戻した。茶わんは、2年以内なら盗品を被害者に還付するとの民法の規定に基づき、主催会社に返還された。 買い取り店は警視庁に「盗品と気付かなかった」と説明。同庁は家宅捜索や古物営業法に基づく立ち入り検査をしたが、店側が故意に盗品を買い取ったとは認められなかった。 事件を巡っては一審東京地裁で検察側が堀江被告に懲役2年6月を求刑しており、今月15日に判決が言い渡される予定。