<The追跡>22の花火大会が中止 警備費などの高騰で“夏祭り危機”対策は?【WBS】
祭りの分散化で運営費が半分に
別の発想で、祭りのコストそのものを大幅に引き下げた取り組みがあります。兵庫県・加古川市の「加古川まつり花火大会」です。ここでもコストの上昇が大きな課題でした。 例年、約9万人の来場者があり、2019年までは河川敷におよそ1キロにわたり観覧会場を設営。さらに駅からの誘導など交通整理のため、警察も含め1700人を超える警備員を配置していました。その結果、運営費は約8500万円にもなっており、これ以上費用が膨らむと花火大会が続けられなくなるという懸念もありました。 そこで加古川市では1カ所だった打ち上げ場所を6カ所に分散しました。人が1カ所に集まらないことで会場の設営費用が浮き、さらに交通整理の規模も大きく縮小。その結果、運営費は半分以下の約3900万円まで抑えられたといいます。 加古川市では去年、花火大会の分散開催の満足度について住民に調査すると、7割以上がこの取り組みを「良かった」と回答しました。 ただ、反対の声もあります。1カ所のときは打ち上げ時間は1時間でしたが、6カ所に分散すると15分ほどになり、華やかさに欠けるというのです。 今後は満足度を高めることが課題だといいます。 「分散型で継続することで、この花火というイベントを守っていきたい」(加古川市産業振興課の福田和馬さん) ※ワールドビジネスサテライト