【MotoGP】RNF後継のトラックハウス、アプリリアと複数年契約で合意と明らかに。2024年には2台のファクトリーバイク使用も予定
12月上旬、MotoGPクラスにアメリカのNASCARなどに参戦するトラックハウス・レーシングが、RNFを引き継ぐ形で参戦することが発表された。motorsport.comの取材で、彼らは既にアプリリアと複数年契約を延長したことが分かった。 【画像】アメリカンなカラーに包まれたRS-GP 2023年シーズンの終了後、MotoGPはRNFが「MotoGPの公共的なイメージに影響を与える、度重なる違反や参加協定違反を繰り返して来たこと」ことにより、2024年の参戦を認めないと発表した。 これはRNFの大株主でタイトルスポンサーを務めたCryptoDATAがオーストリアGPのスポンサー料を支払っていなかったことに関連しており、チームのサプライヤーにも未払金が多数あったと見られているが、結果的にRNFの参戦枠が空くことになった。 そしてRNFの危機をきっかけに、アメリカのトラックハウス・レーシングがアプリリアや組織、スタッフなど既存の合意を引き継ぐ形で2024年から参戦することが決まった。 チーム代表にはジャスティン・マークスが就き、PJ・ラシディがディレクターを、そしてウィルコ・ズィーレンベルグがチームマネージャーを務めることになる。トラックハウス・レーシングにはプロジェクトにより安定性を与え、アメリカ市場に浸透して行くことが期待されているが、アプリリアとの契約更新がその一端を示しているだろう。 マークス代表はmotorsport.comの取材に対し、既にアプリリアとの間で複数年の契約延長に至っていることを明かした。 「我々はアプリリアと複数年契約で合意している。我々の観点からすれば、彼らと契約して、それを1年後に変更するというのは間違いに他ならない」 トラックハウス・レーシングがアプリリアとのつながりを深めていることは、既にチームの発表会の様子からも見て取れた。発表会はイタリアで行なわれ、そこにはアプリリアのレース部門CEOであるマッシモ・リボラも出席していたのだ。 マークス代表によると、チームは2024年シーズンにアプリリアから2台のファクトリーマシンの供給を受けられるように働きかけているという。 「我々は単なるアプリリアのカスタマーにはなりたくない。タイトルを勝ち取ることを支援するパートナーになりたいんだ」 「我々はレースで勝利したいと思っている。今後3~5年で、パドックでもベストなインディペンデントチームになりたいと思う」 「ベストなライダーと技術者にとって、魅力的な場所になりたい。コミュニケーションを改善し、すぐに反応できることを目指しているんだ」 「計画としては、ここ(アプリリアの拠点の)ノアーレからチームを管理することがある。バイクはアプリリアで組み立てられているし、我々にとって助けになるはずだ」 「我々はアプリリアに対し、早ければ2024年に2台のファクトリーバイクを使用できるようにとプッシュしている。これは彼らが念頭に置いていたものではなかったが、それを達成できるよう彼らも懸命に取り組んでくれている」 「おそらく開幕戦のカタールでは1台になり、数レース後に2台目が届くことになるだろう」 「できるだけ早く2台を用意するというのが、我々の考えだ。今後2週間で、どちらのライダーがファクトリーマシンをまず使うことになるかを決める。しかし重要なのはミゲル(オリベイラ)とラウル(フェルナンデス)が序盤戦でファクトリーマシンを手にするということだ」 「すべては、アプリリアがマシンを製造できるスピードにかかっている」
Lewis Duncan