「目指すのはアイドルの歌舞伎座」 東京アイドル劇場のビジネスモデル
THE PAGE
東京はJR品川駅の港南口から歩いて5分弱。東京アイドル劇場は、劇場といっても、レンタル制のイベントスペースを公演のたび借り切り、そのときだけ「東京アイドル劇場」が出現するというシステム。2015年2月のスタート以来、数多くのアイドルがライブを行ってきたが、特徴的なのは従来の対バン方式と異なり、短時間の単独ライブを集中して行うスタイルを採っていること。玉石混淆のアイドル界にあって、目指すのは「歌舞伎座」だという。アイドルで歌舞伎座? いったい、どういうことなのか。主宰者でアイドル研究家でもあるノトフ氏に話を聞いた。
“あの時の秋葉原”が東京アイドル劇場の発想 対バンライブよりも単独ライブを
アイドル研究家の活動がメインだったころ、秋葉原に通っていたことが、東京アイドル劇場の発想につながったという。 「当時、石丸電気さんが300人ほど入れるスペースでインストアライブをやっていて、アイドルの聖地と呼ばれていた。後々人気になったももクロもやっていましたし、単独ライブが気軽に打てていた。そこがなくなってソフマップさんの劇場ができたりもしたんですが、そのうちにアイドルがどんどん増えて、インストアのスペースが足りなくなってしまったんですよ。そういう状況から、何組ものアイドルが出演する対バンライブが増えてきて。そうなると、今度は単独ライブがない……」 ノトフ氏は、対バンで別のグループのファン含め多くの客に見てもらうことと、単独でリーズナブルなチケットでライトなファンにもきてもらう環境と、その2つの軸のバランスをとることが必要だと考えていたという。 「やっぱりアイドルが育っていくには単独ライブで、自分たちのお客様だけに向けたライブも必要だなって。でも簡単じゃない。場所をおさえるのも大変、お客様が入らなかったらどうしよう。来月やろうって、ポンといい会場をとれるわけでもない。じゃあ僕がライブハウスを借り切って、そこを皆さんに単独をやってもらう形式で振り分けたらいいんじゃないか。それならできるかな、と思ったんです」