「目指すのはアイドルの歌舞伎座」 東京アイドル劇場のビジネスモデル
一つ一つのライブは独立しており、客はお目当てのアイドルだけを見に行くことができる。チケットもそのぶん、リーズナブルだ。ステージの持ち時間は、対バンの場合15~20分程度が普通のところ、東京アイドル劇場では通常30分。また、物販はステージとは別スペースで最長2時間半も可能という。そして他に、対バンのようにその日出演する全アイドルを見ることのできる通し券も別途、用意している。 「普通に単独ライブをライブハウスでやると、その場所で1組しかやらないわけで、注目を集めるのが難しいんですよね。でも、いっぱい単独ライブがあるよっていうと、お客さんも知らないアイドルを見つけやすい。選べる対バンみたいなところもあって。対バンと単独のいいとこどりですね」 しかし何事も新しいことを始めるに際しては、苦労がつきまとうもの。 「最初は出演をオファーしても簡単に出てもらえなかったり、1日の枠を埋めるのに必死でした。それが、最近は二つ返事で受けてくれることも多くなった。はっきりいって、苦労とは思っていないんです。お客さんにも演者さんにも恵まれていますね。枠が埋まっていて断るケースも出てきたので、渋谷にも『渋谷アイドル劇場』を作ることにしたんです。シダックスさんが持っているホールを借りるんですが、7月からスタートします」
オリジナル公演にも着手 目指すはアイドルの歌舞伎座
また、新たな試みとしてオリジナルの公演にも着手する。 「最初はグループを作ろうかなとぼんやり考えていたら、ふと閃いたんです。AKB48さんのような、オリジナルの公演を作ろうと。キャストは公演ごと募集すれば、グループのようにガッツリ拘束しなくて済む。正直いまの僕の実力だと、グループを作る責任は負えない。『お前らを武道館に連れていくから、このグループに入れ』なんていえないんですよ。公演なら、一つの公演が2~3カ月でクローズするし、東京アイドル劇場がある日を中心にやるんで本番は月に数回。それなら、学業や仕事など他のことと両立しながらやれるのかなと。働き方に正社員や派遣、バイト、フリーランスなどがあるのと一緒で、アイドルにもいろんな形態があっていいんじゃないかと」