自分が変われば相手も変わる【いつも感じのいい人のたった6つの習慣】
まずは自分を好きになる
6つの思考習慣の最後に、「わが身に置きかえる」を挙げました。自分本位と他人本位の両方を同時に習慣化することの大切さを説いたこの考え方も、実は茶の湯におけるもてなしの根本をなすものです。 日常生活に置きかえると、誰かをもてなすというよりもむしろ、誰かと今よりももっと分かり合いたい、深く理解し合いたい、絆を深めたいという時にこそ役立つ考え方ではないでしょうか。 私たちはしばしば、相手に合わせすぎたり、相手の気持ちがわからずに苦しんだり、または自分を押し殺しすぎて疲れてしまいがちです。 そんな時こそ思い出してほしいのが、「わが身に置きかえる」なのです。相手とはしょせん他人。どんなふうに感じているのかはわからないのに、そこにばかりこだわっていてはよい人間関係は築けません。 まずは自分を好きになること。 そのためには、自分の考え方やふるまい方を俯瞰で眺め、自分が相手に対してできることを見極め、誠意を持って尽くしましょう。
自分が変われば相手も変わる
まず自分が変われば、相手も変わり、そうすることで互いへの敬意や理解も深まります。 仕事の上でもプライベートでも、自分と周囲の関係を変えたいと思った時、まず相手を変えようとするのは無駄な努力です。かりに相手が一方的に間違った考え方や行動をしていると感じている時でも、それを説得し、行動をあらためさせる試みは徒労に終わることがほとんどです。 でも、自分のほうが、相手への接し方や態度、話し方を変えれば、自分の中に余裕が生まれます。そしてその余裕は相手にも伝わり、結果的には相手も変えることになるのです。 環境を変えたければまず自分が変わること。そうすることで未来も人生もまた変えられるのです。 いつも感じのいい人のたった6つの習慣 著/千 宗屋 小学館 1,760円(税込) 千 宗屋(せん・そうおく) 茶人。千利休に始まる三千家のひとつ、武者小路千家家元後嗣。1975年、京都市生まれ。2003年、武者小路千家15代次期家元として後嗣号「宗屋」を襲名し、同年大徳寺にて得度。2008年、文化庁文化交流使として一年間ニューヨークに滞在。2013年、京都府文化賞奨励賞受賞、2014年から京都国際観光大使。2015年、京都市芸術新人賞受賞。日本文化への深い知識と類い希な感性が国内外で評価される、茶の湯界の若手リーダー。今秋、「人づきあい」と「ふるまい方」を説いた書籍『いつも感じのいい人のたった6つの習慣』を上梓。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授、明治学院大学非常勤講師(日本美術史)。一児の父。
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