「チャイの容器を窓から投げる」実はエコな行動!? インドの旅の思い出を、青木さやかが語る
忘れられない、インドで見た光景
青木に一番印象に残っている旅を尋ねると、28年前の1995年に行ったインドへの旅だと答えた。 青木:当時の彼がインドを旅している人だったので、2週間ぐらい私も一緒に旅をさせてもらいました。 葉加瀬:22、23歳ということ? 青木:そうです。 葉加瀬:いいねえ。 青木:楽しかった。バックパッカーですね。安い旅でしたけれど、そのときの空気をすごく覚えていて。雲が届きそうな感じのところにあって。列車で旅をしたんですけど、固い木の90度になっている椅子にずっと座って、何十時間とか乗って行ったんです。駅で止まると窓をガーッと上に開けるんです。木の枠の窓があって、開けるとそこでチャイを売っている人がいて。素焼きのカップに入ったチャイを買って、動き出した電車のなかで熱くてすごくスパイシーなチャイを飲むんです。飲み終わると動いている電車から放り投げてガチャンと割るという(笑)。その景色をすごく覚えています。 葉加瀬:あれすごいエコなんだよね。あの食器そのものは土で焼いているものだから、飲み終わったものを割ると、もう一度そこに戻っていくだけの話なんでね。 青木はインドで旅をしているときに日本の歌が聴きたくなったのだという。 葉加瀬:いわゆるホームシック的な? 青木:そうなんだと思います。当時はスマホなんてもちろんないですし、音を聴く機械もないわけです。インドの歌は聴こえてくるけど、よくわからない。自分で声を出して歌いたい。そのときに歌詞まで覚えている歌ってないんですよね。それで歌ったのは『ぞうさん』とか国歌とかですね。 葉加瀬:国歌を歌うの? 青木:歌うというか、その程度しか1番を全部歌える歌がないんですよ。 葉加瀬:なるほど。『ぞうさん』を歌って心は休まった? 青木:ある程度は休まった気がします。でも日本の歌が聴きたくなりました。日本が恋しいなというのは、歌がすごく大きかった気がします。