安部裕葵はバルサで「偽9番」の何を学びU―22代表にどう生かすのか?「自己マネジメント能力が身についている」
U-22ジャマイカ代表と対戦する28日のキリンチャレンジカップ2019(トランスコスモススタジアム長崎)に臨む、東京五輪世代となるU-22日本代表の背番号が26日に決定。今夏に鹿島アントラーズから名門FCバルセロナへ移籍した、MF安部裕葵が「10番」を任されることになった。 バルセロナへ移籍するまでの今シーズンのアントラーズで約半年間担い、9月の北中米遠征で初めて招集されたU-22代表でも託されたエースナンバーを再び背負っても、安部は泰然自若としていた。メディアの問いかけで初めて背番号を知ったと明かした20歳は、こんな言葉を残している。 「代表や鹿島に限らず、そういう番号だということは理解しています」 そういうとは、イコール、否が応でも注目を集める背番号だということ。バルセロナでは下部組織の最上位に位置するバルセロナBに所属。3部リーグにあたるセグンダ・ディビシオンBで8試合続けて3トップの中央、いわゆる「偽9番」として先発を射止め、その間に初ゴールを含めた4ゴールをあげての凱旋だけに、おのずと大きな期待が寄せられる。 特に現地時間15日のラ・ヌシア戦は圧巻だった。1点ビハインドの前半38分に右足で同点弾を、さらに後半9分には左足で逆転弾を一閃している。いずれもペナルティーエリアの外から、前者は味方が放ったシュートのこぼれ球を迷うことなく、後者は味方のスルーパスに完璧なタイミングで走り込んで豪快に叩き込み、ホームのファンやサポーターに存在感を見せつけた。 「鹿島でもいろいろなポジションでプレーさせてもらったことが、自分の経験値のひとつとしてバルセロナでも十分に生きている。ゴールに近い位置でプレーすることで得点もある程度取れていますけど、僕の得点というよりはアシストしてくれる味方がいて得点を取れているだけなので。ただ、得点につながりやすい、という意味では楽しいですね」 スーパースターのリオネル・メッシも担ったことがあるバルセロナの「偽9番」は、最前線のプレーメーカーとしてポゼッションを高める役割だけでなく、得点を奪う高いスキルとセンスも求められる。広島県瀬戸内高校から加入したアントラーズでの2年半で決めた4ゴールに、直近の1ヶ月半で並んだ安部の急成長ぶりには、新天地スペインへ予想以上に早く順応している点も大きく寄与している。