思わず青田買い!【マンガ好きが大注目する新人作家22人】単行本化されていない名作も続々!
◆『梅花の想ひ人』おく/KADOKAWA
日本各地の民話をもとにした5篇を収録。美しく迫力のあるフルカラー作品集。 「ストーリーは、日本各地に点在する昔話がベースで、それをアレンジして作られています。ゆえに、どこかで見知った話(オムニバス。たとえば1話目は「鶴の恩返し」みたいな話)なのですが、圧巻の画力と組み合わさると、ものすごく豊かな作品になるんですね。1ページ1ページが絵画のよう」 推薦者(上記3作品すべて) ライター・ブックカウンセラー 三浦天紗子(みうら・あさこ)さん 『CREA』『an・an』をはじめとした女性誌でのマンガ紹介や、文芸誌などで書評やインタビューを担当。著書に『震災離婚』(イースト・プレス)など。
◆『それでも天使のままで』小骨トモ/双葉社
学校に居場所がない小林くんが映画館で目覚めた「リカ先輩の夢をみる」ほか、「それでも天使のままで」「あの嫌いなバンドはネットのおもちゃ」「先生のクモのイト」の4つの初恋を描いた物語。 「単行本2作目なので青田買いといっていいのか微妙ですが、こちらもめっちゃよかったです。生々しくて醜いけど愛おしい作品を描ける貴重なマンガ家さんです。ちなみにマガジンハウスSHUROで連載されている、かわじろうさんも青田買いしたい作家さんです」 推薦者 ジュンク堂書店池袋本店コミック担当 八木 泉(やぎ・いずみ)さん 丸善ジュンク堂書店でコミックジャンルアドバイザーチーフを務める。コミック担当歴は20年以上というマンガの専門家。
◆『mothers』草原うみ/トゥーヴァージンズ
喪失を抱えるふたりの母の心の葛藤を描いた「mothers」ほか、珠玉の12編を収録。 「心の奥底に澱を抱えたふたりの母親が、ある出会いをきっかけに心を解かしてゆく表題作をはじめ、遠い日に傷ついた人の心を優しく揺らした行為が、数年の時を経て温かな時間を連れてくる瞬間を描いた『ティラミスのパフェ』など、人間関係の複雑さをやわらかな視点で捉えた12篇がどれも良かったので。初連載の『やがて、ひとつの音になれ』も楽しく読んでいます」 推薦者 ライター・編集者 山脇麻生(やまわき・まお)さん マンガ誌編集を経てフリーに。各紙誌でコミック評及びコミック関連記事などを執筆。京都精華大学新世代マンガコース非常勤講師も務める。現在、11月刊行の黄表紙関連本を執筆中。