日本の観光庁が16日発表した2024年７～９月のインバウンド統計（１次速報）によると、中国人の同期の訪日旅行消費は5,177億円だった。新型コロナウイルスの影響がない19年同期比で5.2％増えた。20年以降の同統計で、中国人の訪日旅行消費が19年同期を上回るのは初めて。 　23年同期比では87％と大幅に増えた。中国政府は諸外国よりも長く新型コロナウイルス対策を実施。日本への団体旅行を解禁したのは23年８月で、23年同期も途中まで新型コロナ対策の影響があった。 　中国人の訪日旅行消費は引き続き国籍別の１位となった。７～９月の訪日外国人旅行消費は１兆9,480億円で、中国人が全体の26.6％を占めた。 　中国人の訪日旅行消費の内訳は、買い物代が1,976億円、宿泊費が1,546億円、飲食費が995億円などだった。 　■１人当たりは前年比減少 　７～９月の中国人１人当たりの訪日旅行消費は26万7,088円だった。前年同期比で4.2％減った。中国人が国内経済の見通し悪化を受け、節約志向を強めていることが背景にあるとみられる。円安の進行が６月から７月にかけて終わり、訪日旅行の割安感がやや低下したことも影響したもよう。ただ、19年同期比では31.2％増えた。 　他国の１人当たり訪日旅行消費と比べると、中国はアジアの主要国では最高。だが、欧米の主要国よりは低かった。欧米からの訪日旅行者は所得が高いほか、滞在期間が長い傾向にある。