ドローンをプログラミングし操作 課題解決力の養成目指す【STEAM教育のきざし】
ドローンを飛ばす段階になると、今度はORSO DRONE STAR事業部副部長の荊木祥世(いばらきさちよ)さんらORSOスタッフがサポートにあたる。プログラミングの内容をチェックしたうえで、スタート地点にドローンをセット。タブレットで指示を出せばドローンは浮かび上がり、各人が指定した動きで目標地点を目指す。 プログラミングが的確にできていても風や電波などいろいろな要因でドローンが思うように動かないこともあるが、それも含めて体験してほしいというのがこのブースのコンセプトだ。「動かなかった場合になぜ動かなかったのかを考えることで、思考力を養うきっかけになるでしょう」(原田さん)
科学に興味をもつ子どもを増やしたい
出産するまで企業の研究職として働いていた原田さんは、キャリアをストップさせて育児に取り組む中で、科学に興味をもつ子どもを増やしたいと思い、教育に関心を持ったそうだ。そして、これからの教育で必要なのは自分で考えて道を切り開く力をつけることだと考え、2017年に慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の研究員となり、体験と思考をセットにできるメニューをいろいろと考案し、現場で実行してみた。その中で特に反響が良かったのがドローンだった。
「浮く瞬間とか、前に動く瞬間とか、子どもたちだけでなく大人も盛り上がるんです。未来を考えるツールにもなります。だから、プログラミングでドローンを動かすことで新しい『学び』を創造できないかと思いました」
この取り組みは学校側の需要にもマッチしていた。2020年度からプログラミングが必修化されることは決まっていたが、どの教科に入れてどう指導していくかは各校の裁量に任されていた。「そのため、どんな先生でもできて、教科横断型でできるツールが求められていたんです。私が作ったカリキュラムは体験した後に未来を考えるようになっていたので、さまざまな教科に入れやすくなっていました。体育とか防災教育と結びつけた取り組みもやったことがあります」と原田さんは説明する。