負けるとショックのあまり暴れ出す…"負けに耐えられない子"と遊ぶなら負けても楽しいあのゲーム
負けることに耐えられずに暴れてしまう子にはどう対処すればよいのか。こども発達支援の専門家である前田智行さんは「まずは、『勝って良い気分になる』ことでなく、『一緒に遊ぶプロセスを楽しむ』ことが目的だと気づかせるために『負けても楽しいと学習できる遊びをするとよい』」という――。 【図表】「ごまかせない」ジャンケン ※本稿は、前田智行『「できる」が増えて「自立心」がどんどんアップ! 発達障害&グレーゾーンの子への接し方・育て方』(大和出版)の一部を再編集したものです。 ■負けたショックで暴れてしまう子 特別支援が必要な子どもの中には、「負けることに耐えられず暴れてしまう」という子どもがいます。 本来は、「一緒に遊ぶプロセスを楽しむ」ことが目的なのに、「勝って良い気分になる」ということが目的となり、結果、負けたショックに耐えられないのです。 負けず嫌いな性格でも、それが人生でプラスに働けばいいのですが、対人関係や日常生活にまで影響が出るなら支援が必要です。 こんなとき、「にらめっこ」をして遊ぶのは支援として有効です。 にらめっこは、「笑ったら負け」というルールなので、「負け=嫌だ」と学習しているはずなのに、「負け=楽しい」という結果になります。 そのため、「負けても楽しい」と学習できますし、大人から「負けても楽しいね~」とラベリングをすることで、誤学習を上書きすることが可能です。 ■勝つことが楽しいわけではない ゲームは勝ち負けで終わるものだけではない 発達障害の子の中には、負けることへのストレスに耐えられず、ゲームを放棄したり、怒りを爆発させたりしてしまう子もいます。 そんなときは、まずは、「協力型ゲーム」からスタートします。 たとえば、1人で遊べる「ソリティア」を2人で一緒にやっても良いですし、ボードゲームであれば『脱出! おばけ屋敷ゲーム』。 アナログカードゲームなら『ito』など、複数人で協力して、クリアを目標にするゲームであれば、勝ち負けにこだわらなくてすみます。 ここで大事なのは、「勝つことが楽しいのではなく、一緒に遊ぶことが楽しい」という事実に気づかせること。 そのために、まずは協力型ゲームで一緒にゴールを目指す経験を積んで、一緒に遊ぶ時間を楽しめる環境設定をしてみましょう。