「父はなぜ死んだのか」 89歳父の死の理由を求めて 災害関連死の認定を待つ遺族 病院の看護記録に記された「点滴は止めないといけない」 能登半島地震から1年
災害関連死の申請に詳しい 在間文康 弁護士 「災害の特性や被災者を取り巻く生活環境、事情というのは千差万別で、地域の特徴というのも加わってきます。災害の状況によって実態が大きく変わるのです。自治体ごとの判断にゆだねることで認定率に差が生じてしまうという側面がある一方で、中央コントロールが過ぎると杓子定規な判断につながりかねません。」 また、構成される審査委員が重要な要素だとも指摘する。 災害関連死の申請に詳しい 在間文康 弁護士 「委員は医師や弁護士など5~7人で構成されるのが通常です。災害関連死の認定をめぐっては、法的概念である死亡した経緯と災害の『相当因果関係』を調べていくことになるのですが、審査の現場では医師の意見が尊重されやすいのが実情です。複数人の法律スペシャリストが委員に入るのが望ましいと考えています」 ■「父が何で死んだのか知りたい」認定めぐる思い 佐藤さんが、災害関連死の申請を済ませたのは12月の初旬ごろ。認定を受けることが目的ではないとしつつも、今はまだ、父親が「地震で亡くなった」とは言えないと強調した。そして、災害関連死と認定されることの意味を尋ねると、こう話してくれた。 佐藤さん 「1人の人間の最後のところを知っておきたいんですよ。父の死が震災に関連したのかどうなのか、第三者に見てもらって判断してほしい。小心者の父が、震度7の地震が起きて、何回も余震で揺れる中、どういう心情で過ごしていたのか知りたいんですよね。父が何で死んだのか知りたいという思いがありました」 申請をするために資料を取り寄せることで、これまで知らなかったことを、少しでも知ることができた。しかし、震災の恐怖の中でサポートも無い状況が続き、災害関連死の申請を諦める人も佐藤さんの周りにはいるという。佐藤さんは自身の経験を踏まえ、「ちょっと疑問を持っている人は申請してほしい」と訴える。 家族はなぜ死んでしまったのか。父の死から1年、佐藤さんは審査の結果を待っている。
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