厚生年金に44年加入すると年金が上乗せされるって本当?元公務員が日本の老後を考える
長期加入者特例とは
厚生年金の長期加入者特例とは、特定の条件に当てはまる場合に、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分に加えて定額部分も受け取れるようになる制度です。 条件は以下のとおり定められています。 ・特別支給の老齢厚生年金を受け取っている ・44年以上厚生年金保険に加入している ・定額部分の受給開始年齢になる前に厚生年金保険の被保険者でなくなる ただし、以下の場合は上記の条件が当てはまっていても特例の対象となりません。 ・厚生年金保険・公務員共済組合・私学共済の加入期間を合算して44年以上の加入となる場合 ・特例で定額部分の支給が開始した後に、厚生年金保険に加入した場合 長期加入者特例は1つの年金保険に44年以上加入し続けた人に対して支給されます。 「厚生年金保険への加入が40年、公務員共済組合への加入が4年」といった場合は特例が認められません。 また、特例の適用後に厚生年金保険に加入した場合は、特例での支給が停止されます。 厚生年金の長期加入者特例では、加給年金も加算されます。 加給年金とは、厚生年金に20年以上加入している人が65歳になったときに、生計を共にしている65歳未満の配偶者や18歳になるまでの子どもがいる場合に支給される年金です。 管轄の年金事務所に所定の届出をすることで、特例適用時に併せて加給年金が加算されます。
厚生年金、みんなの平均受給額はいくら?
厚生年金の平均受給額は、以下のとおりです。 平均受給額は14万3973円となっています。最も受給権者が多いのは、10万円台の112万7493人です。 男女別に見てみると、平均受給額は以下のとおりとなっています。 ・男性:16万3875円 ・女性:10万4878円 かつては結婚や出産を機に退職し家庭に入ることが多かったため、女性のほうが受給額が低くなっています。 一方、男性は15万円~20万円に受給者数が多く分布しており、平均以上の金額を受け取っている人が多いといえるでしょう。