廃タイヤの総重量は「年間80万トン」!? 意外な使い道で90%が有効活用されているって本当?
タイヤ交換や廃車時など、廃タイヤは年間で80万トン近く発生しているようです。廃タイヤはただ処理されるだけではなく、さまざまな方法で有効活用されていますが、実際にどのような使い道があるのか気になる人もいるでしょう。 ▼ガソリンスタンドで「タイヤが消耗していて交換しないと危険」と言われた! すぐに換えるべき? 交換時期の目安についても解説 今回は廃タイヤが発生するおもなタイミングやリサイクル状況についてご紹介します。そのほか、廃タイヤの処理・回収ルートもまとめましたので、リサイクル状況について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
廃タイヤが発生するタイミング
廃タイヤが発生するタイミングは、おもにタイヤ取り替え時となるようです。一般社団法人 日本自動車タイヤ協会が2022年に発表している数値によると「タイヤ取替時」の廃タイヤ発生量は、本数で8000万本、重量で89万1000トンとされていました。 また、車を廃車にする際も廃タイヤが発生するタイミングです。本数で1200万本、重量で11万7000トンとなっており、タイヤ取り替え時と比較すると、機会が少ないことが関係し、本数と重量ともに少ない傾向にあると考えられます。 なお、前年比でみるとタイヤ取り替え時は増加傾向、廃車時は減少傾向にあります。タイヤ取り替え時はコロナ禍前の2019年と同等水準であり、廃車時は新車販売の減少に伴い、廃車数が減っていることで廃タイヤの発生量の少なさにつながっているといえるでしょう。
廃タイヤのリサイクル状況
2022年の廃タイヤのリサイクル状況を見てみると、おもに原形加工利用、熱利用、輸出の3方法でリサイクルに用いられているようです。 いずれも前年と比較して増加しており、リサイクルされる重量で見ると前年より8万トン増加し、合計で98万4000トンがリサイクルされています。このほかにも、石炭などの化石燃料の価格高騰が関係し、代替燃料として廃タイヤの需要が増えているようです。 さらに、省エネ法の改正によって非化石燃料への転換が必要になることで、廃タイヤの燃料需要も後押しされています。なお、廃タイヤは輸出だけでなく、年間の輸入量も増加傾向です。2022年の年間輸入量は約7万9900トンとなっており、前年比で5000トン増加していることも、あわせて覚えておくとよいかもしれません。