【阪神JF】JRA・G1初勝利の6年目騎手 2歳女王と「まずは桜花賞を目指していきたい」
◆第76回阪神ジュベナイルフィリーズ・G1(12月8日、京都・芝1600メートル、良) 【データで見る】アルマヴェローチェの血統、戦績 第76回阪神JF・G1は8日、京都競馬場で行われ、単勝5番人気のアルマヴェローチェが直線で外から鋭く差し切り、2歳女王の座に就いた。デビュー6年目の岩田望来騎手(24)=栗東・フリー=は61度目の挑戦でJRA・G1初勝利。レース史上初の外国調教馬として参戦した米国のメイデイレディ(デットーリ)は13着に終わった。 小雨が降る淀のターフで、最高の光を放った。こん身のムチに応えたアルマヴェローチェは直線で猛然と加速。馬群の外から一気に先頭に立つと、最後は2着に1馬身1/4差をつけていた。6年目の岩田望が待望のG1初勝利。初コンビでパートナーを2歳女王に導いた24歳は「『やった』という思いと『やっとか』が半々。本当に時間がかかったなと。ここでG1を勝つことができて本当にうれしい」。右腕を振り下ろしてゴールした後も、しばらく拳を握り続けて喜びをかみしめた。 「後ろから行っても他の馬にやられる。ある程度は前につけたいと思っていた。想定通り」。道中は中団で折り合いをつけて脚をため、爆発的な末脚につなげた。「追い出してからの脚はすごいものでした」と会心の一戦を振り返った。 デビューから順調に勝利を積み重ね、先月24日に達成したJRA通算500勝は史上2番目の年少記録。しかし、大舞台では苦汁をなめ続けてきた。G1は60度騎乗して未勝利。同期の団野と菅原明が先にビッグタイトルを獲得するのを複雑な気持ちで見つめていた。「(先月の)マイルCSは乗る馬がいなかったし、本当に悔しい思いばかりしてきた。それがゴールでのガッツポーズに出たんじゃないかな」。胸に抱えていた悔しさを、見事に晴らした。 元騎手の上村調教師は大阪杯のベラジオオペラに続くG1・2勝目。「デビュー当初から見ていて、これから伸びると思って乗せてきた。望来にとっても、僕にとっても良かった」とうなずいた。 次の大目標は当然、来春のクラシックだ。「マイルじゃないといけない馬ではない。引っかかる心配もないし、阪神でも大丈夫。まずは桜花賞(4月13日、阪神)を目指していきたい」と岩田望。欲しかった一勝を足がかりに、さらに大きな勲章を取りに行く。(山本 理貴) ◆岩田 望来(いわた・みらい)2000年5月31日、兵庫県生まれ。24歳。19年3月デビュー。同期は菅原明、団野、斎藤、亀田、小林凌、大塚。8日現在、JRA通算4590戦503勝(うち重賞12勝)。地方では22年JBCレディスクラシックのヴァレーデラルナでG1級勝利。父はJRAの岩田康誠騎手。161・4センチ、52・0キロ。血液型B。 ◆アルマヴェローチェ 父ハービンジャー、母ラクアミ(父ダイワメジャー)。栗東・上村洋行厩舎所属の牝2歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算成績は3戦2勝。重賞初勝利。総獲得賞金は8560万円。馬主は大野照旺氏。
報知新聞社