「口づけで10億個の細菌が移動する」 “体を張った実験”で明らかになった、風邪の「予想外な感染ルート」の真実
感染症を着実に予防するたったひとつのこと
医者が診察のあと手をきちんと清潔にするには、石鹸と水で少なくともまる1分、徹底的に洗う必要がある。実際問題として、たくさんの患者を診なくてはならない医者には、ほとんど達成不可能な基準だ。これが、毎年およそ200万人のアメリカ人が病院で重い感染症をうつされてしまう大きな理由のひとつになっている(そのうち9万人が死に至る)。 アメリカの外科医アトゥール・ガワンデはこう書いた。「いちばんたいへんなのは、わたしと同じような臨床医に、感染症を着実に予防するたったひとつのこと、つまり手洗いをさせることだ」。 *** この記事の前編【アナタの体に棲んでいる「微生物」は約1.4kg! ほぼ「脳と同じ重さ」 人間は彼らなしに生きていけない】では、4万種の細菌にとっての“わが家”であるヒトと細菌との切っても切れない関係について紹介している。 ※『人体大全 なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか』より一部抜粋・再編集。
デイリー新潮編集部
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