早くも別格! J1リーグ、今夏の大当たり新戦力6人。サポーター歓喜! チームを変えているのは?
MF:三竿健斗(みさお・けんと)
生年月日:1996年4月16日 移籍先:OHルーヴェン(ベルギー)→鹿島アントラーズ 2024リーグ戦成績(移籍後):6試合0得点0アシスト 今年7月に鹿島アントラーズへおよそ1年半ぶりに復帰した三竿健斗は、早速チームを押し上げるような活躍を見せている。 Jリーグの歴史の中で“常勝軍団”と呼ばれてきた鹿島だが、最後にJ1優勝を果たしたのは2016年の年間優勝まで遡る必要がある(当時は1st・2ndステージ制)。現在は4位と、8シーズンぶりのJ1制覇を視野に捉える位置につけているものの、首位のFC町田ゼルビアとは勝ち点「9」差がついており、これ以上離されると優勝争いに食い込むのは難しくなる。 鹿島の伝統と言えば、好守にわたるダイナミックさをベースにした「勝利にこだわる」姿勢だ。華麗さはなくとも泥臭く勝ちに行くスタイルが、強者としての鹿島の代名詞だった。近年の鹿島からはその貪欲さがあまり感じられないこともあったが、チームに足りない要素を補ってくれる存在として期待されているのが三竿だ。 2016年から2022年まで鹿島に在籍した三竿の特長は、トランジションの意識や守備強度の高さ。プレーエリアも幅広く、豊富な運動量で中盤を下支えすることができる28歳のMFは、古巣を“常勝軍団”に戻すラストピースなのかもしれない。 久方ぶりのJ1制覇を成し遂げるためにも、鹿島は今が踏ん張りどころ。精神的な支柱にもなれる三竿に課されたタスクは決して少なくない。
MF:川辺駿(かわべ・はやお)
生年月日:1995年9月8日 移籍先:スタンダール・リエージュ(ベルギー)→サンフレッチェ広島 2024リーグ戦成績(移籍後):5試合0得点1アシスト サンフレッチェ広島にとって、今年8月におよそ3年ぶりの復帰を果たした川辺駿は、9シーズンぶりのJ1制覇に向けたブースターとなり得るだろう。 今年2月にこけら落としを迎えた新スタジアム『エディオンピースウイング広島』に新たな歴史を刻み込むためにも、広島が2024シーズンのJ1リーグを制する意義は大きい。シーズン途中でエースの大橋祐紀が退団したのは痛手だったが、夏の移籍ウインドーでは的確な戦力補強を実施。現在は首位のFC町田ゼルビアと勝ち点「2」差の2位につけており、J1制覇を狙える位置をキープしている。 広島加入直後から、今夏の大当たり新戦力として存在感を発揮しているのが川辺だ。29歳のMF は広島に2021年まで在籍していただけに適応の問題もなく、すんなりとチームに溶け込んだ。強烈なキャプテンシーでチームをけん引するタイプではないが、欧州で得た経験を生かして「プレーで語る」ことができる男の加入によって、広島の中盤は一気に戦力を増した。 川辺は、広島が抱えていた問題を解決する“処方箋”にもなっている。ドイツ人指揮官ミヒャエル・スキッベ監督の下、チームはゲーゲンプレスで相手を圧倒することで勝ち点を積み上げてきた。しかし一方で、試合のリズムが速さ一辺倒になるケースも目立ち、ペースコントロールができる選手の重要性が浮き彫りになっていた。賢いプレー選択ができる川辺の到来によって、ここ最近のチームはトランジションに頼らずとも試合を管理できるようになっている。 広島を“大人”なチームにブラッシュアップした川辺の功績は、加入からそれほど日が経っていない今でも明らかなほど際立っている。