<佐倉綾音>「らんま1/2」インタビュー(1) 小太刀役に懸ける思い 大ファンだからこその重圧と責任 精いっぱいの“高笑い”を
◇高橋留美子作品に関わるという夢
佐倉さんが「らんま1/2」の“完全新作的アニメ”の制作を知ったのは、小太刀役のオーディションのオファーが来た時だった。大好きだった作品が令和に新作アニメとしてよみがえることに「かなりびっくりしました」と驚きが大きかった。それと同時に「一生で一度、高橋留美子先生の作品に関わるというマンガ好きとしての夢」をかなえたいという強い思いもあったという。
「実は『うる星やつら』の新作アニメの時に、キャストの仲間に入れなかったのがずっと悔しくて、どこかずっと胸の端っこに残っていて。ただ、今回の『らんま1/2』は基本的にはオリジナルキャストというお話だったので、『うる星やつら』より狭き門だ……と思って。オーディションのオファーが来たのが小太刀役の1キャラのみだったので、難しいだろうなとは思いましたが、とにかく自分にできることを精いっぱいやろうと」
九能小太刀は、九能帯刀の妹で、「黒バラの小太刀」の異名を持つ格闘新体操の名手。レオタード姿に黒バラをくわえた外見はさることながら、乱馬に好意を抱き、その恋路を邪魔する者には手段を選ばない強烈なキャラクターだ。
「小太刀役と聞いた時に、正直、自分が演じている姿が想像できませんでした。今までこういうキャラクターでオーディションに受かったこともなかったですし、『らんま1/2』を読んでいた時に、一番理解が難しいキャラクターでもあったんです。共感するのが難しい役どころというか、いかに共感できない部分を楽しんで、ふと共感できる部分が見えた時にうれしい、というタイプのキャラクターだったので、逆に共感できるからこそ感じるプレッシャーは度外視していいかなと。常人にはなかなか理解が難しいキャラクターとして、振り切ったお芝居を組み立てました」
◇皆さんの違和感にはなりたくなかった
“1989年版”アニメで小太刀を演じた島津さんの声の印象も強い。その魅力を誰より感じていたのは、ほかならぬ佐倉さん自身だった。