【特集】家を借りられない高齢者たち 「65歳を過ぎると難しい…」居住支援の現場にカメラが密着
76歳の男性 「(紹介できる物件は)ないよってくらいの対応ですよね不動産屋さん、特に大家さんも嫌なんじゃないですか。65歳を過ぎると。そこまで年齢っていうのは追い込まれる」 3か月以上探しても物件は見つからなかったと言います。自力で探すことに限界を感じた男性は、地域包括支援センターを訪ね、高齢者住まい相談室こたつのサポートを受けることに。 年齢の他に障壁となっていたのが、身元保証人となる家族がいないことでした。そこで、支援する吉田さんは男性が定年まで勤めた会社の社長に相談したところ、社長が緊急連絡先を引き受けてくれることに。また、社長と物件の管理会社に面識があり、なんとか今のアパートを借りることが出来ました。ただ、このようにして家が見つかる事は少ないと言います。
■「一階の物件に引っ越したい」さらに経済的な問題も…
60歳の女性が一人で暮らす都内のアパート。加齢によって足腰が弱くなり、1階の物件へ引っ越したいという女性。最も不安だったのは、経済的な問題です。 女性は数年前に父親が亡くなり、実家の売却金を取り崩して生活してきました。若い頃から虚弱体質で働くことが難しく、福祉の援助も受けている女性にとって月8万5千円の家賃の支払いは負担が大きいと言います。 転居を検討している60歳の女性 「貯金で何とかなっているから、(年金の受給開始を)65歳にするかなって思ったんだけど、多分 65まで今の貯金、無理かなって思っているので…」 住まい探しを行うにも女性は独身で身近に頼れる親族や知人がおらず、身元保証人や緊急連絡先を頼める人がいませんでした。そこで、こたつの吉田さんが提案したのが、一般社団法人が行う身元保証の代行サービス。22万円の契約金などを払えば、病院の付き添いや緊急時の駆けつけ支援など幅広いサポートを受けることが出来ます。 担当のケアマネージャーと説明を聞いた女性は数日考えた後、契約を結ぶことに。しかしこの数日後。急性胃腸炎で緊急搬送され、入院することに。女性は契約していたことで、入院の手続きなど支援を受けることが出来ました。今後は、体力の回復を待って部屋の内見に行く予定だと言います。