糖尿病治療の減量薬“オゼンピック”が米国で社会現象に 代替品の減量サプリ急増
糖尿病の治療薬で減量にも効果があるとされる医薬品の注射薬オゼンピック(OZEMPIC)が米国で社会現象となっている。しかしオゼンピックは月額約1200ドル(約18万6000円)と高価なことに加え、注射での投与が毎週必要。また吐き気や下痢、嘔吐などの副作用も懸念される。そこで多くのサプリメントブランドが、肥満治療薬の代替品としてのサプリメントを続々と発売している。 【画像】糖尿病治療の減量薬“オゼンピック”が米国で社会現象に 代替品の減量サプリ急増
米小売チェーン、ザ・ビタミン・ショップ(THE VITAMIN SHOPPE)のムリエル・ゴンザレス(Muriel Gonzalez)社長は、「オゼンピックは今、世界で最大のトレンドだ。ヘルスケアにおけるトレンドではない。オゼンピックそのものが巨大なトレンドになっている」と強調する。米人気司会者のオプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)がオゼンピックを使用しながら大幅な減量に成功したことが話題となり、昨年末ごろから急速に普及した。
「天然のオゼンピック」
ベルベリンが代替品として注目
しかし上述の通り、オゼンピックの投与は金銭的な負担が大きく、副作用の懸念もある。そこで代替品として注目されるのが、「天然のオゼンピック」と称される植物性化合物のベルベリンだ。ベルベリンは、代謝促進や血糖値の調節に寄与する可能性があるとされ、70以上もの臨床研究で有用性が示唆されている。管理栄養士で健康コンテンツクリエイターのラナ・ミュールスタイン(Ilana Muhlstein)によれば、「ベルベリンは、腸内の炭水化物の分解を遅らせることで血糖値をコントロールする。糖尿病治療薬と同様に、血糖値とヘモグロビンA1Cを低下させる機能もある」といい、ウェルネス調査会社のスピンズ(SPINS)の調査では、直近52週間のベルベリン関連の売上高は1070万ドル(約16億5850万円)に達した。サプリメントブランド「ハム ニュートリション(HUM NUTRITION)」が昨年10月に発売した“ベスト オブ ベルベリン”(35ドル、約5425円)がベストセラーとなったことについて、ウォルター・ファウルストロー(Walter Faulstroh)=共同創設者兼最高経営責任者(CEO)は、「SNS上で(ベルベリンの)トレンドが高まっているのを見て、すぐに製品化すべきだと思った。アーユルヴェーダでも糖尿病治療にベルベリンが使用されていることも理由の一つだ。このトレンドは今後数年間でさらに大きくなるだろう」と予測する。