珍鳥ソリハシセイタカシギ飛来 喜界島 野鳥愛好家夫婦が撮影
鹿児島県喜界町湾の富充弘さん(60)、和代さん(55)夫婦は4日、同町佐手久で国内でも珍しい旅鳥「ソリハシセイタカシギ」の撮影に成功した。夫の充弘さんは「21年秋にも見たのですぐに分かった。今回は近くでゆっくりと観察でき、新年からラッキーだった」と喜んだ。 ソリハシセイタカシギは体長42~45センチほどの大型のシギで、上向きに反った独特の形状のくちばしが特徴。成鳥は頭部から首の後ろにかけての部分と、肩、翼の先あたりが黒く、他は白色。足は長く青灰色で水かきがある。NPO法人奄美野鳥の会の「奄美の野鳥図鑑」によると、全国でまれな旅鳥・冬鳥として渡来し、奄美群島では奄美大島や徳之島で記録がある。 富さん夫婦は新型コロナウイルスの影響で旅行や会食などのレジャーが制限されたことをきっかけにバードウオッチングを始め、現在も休みのたびに島内を回って野鳥探しを楽しんでいる。これまでに100種以上を観察したという。 この日も2人で野鳥探しのドライブに出掛け、午後4時ごろ、車から15メートルほど先にある湿地で2羽のソリハシセイタカシギを発見。特徴的なくちばしを泥の中で左右に振りながら餌を探す様子を10分ほど見守った。 このほか、4日はハヤブサやアオジ、カワセミ、ジョウビタキなど15種を観察。充弘さんは「特に冬はいろんな鳥を見られるチャンス。今年はぜひ、ハイイロチュウヒの雄を間近で撮りたい」と話した。
奄美の南海日日新聞