1年で激変した移籍市場での立場 「厳しい」から「成長できる」へ…交渉で感じた手応え
「『ここにいることで成長できる』と思われたことが大きいと思う」
「1年前のこのタイミングでは『ヴェルディは厳しいね』『どう考えてもこのメンバーで戦うと順位としてもこうなるね』と、ロジカルな視点で見ても、その通りだったと思います。それは選手から見てもそうだったはず。でも(昨季を通じて)ヴェルディでやっている選手の成長を感じてくれて『ここにいることで成長できる』と思われたことが大きいと思う。他から見た景色は『あのチームじゃ出られなかったが、ヴェルディに行ったらあんなに出ている』。僕は『活躍』という言い方は簡単に使いたくないので違う言い方をしますが、『他ではダメでもヴェルディに行けば通用する』と感じてくれた選手が多かったのかな、と面談をしていてすごく感じました」 若い選手たちが大きな成長を遂げて掴んだ6位という結果。その過程を対戦相手として見ていたJリーガーたちは「ヴェルディに行けば成長できる」という感触を強く持ったのだろう。 その成長に関与してきた城福監督は、今季のチーム編成について「残ってくれた選手、入ってくれた選手を含めて、自分たちがJ1で戦っていくために必要なメンバーがそろった。すごく嬉しく思います」と言い「我々のキーワードとしたら、今年も『成長』。成長して1試合1試合、良いことも苦しいことも全部、自分たちの成長の糧にして次に向かっていく集団であり続けたい。そして、どこかのタイミングで階段を一段ではなく、二段、三段と上がるようなタイミングがあれば、このチームはもっと超野心的な目標に向かっていける」と、昨季の「野心的な目標」を超えることに闘志を燃やした。
河合 拓 / Taku Kawai