1年で激変した移籍市場での立場 「厳しい」から「成長できる」へ…交渉で感じた手応え
「我々のステージが『J2にいつ落ちてもおかしくないクラブ』から1つ上がったのかな」
2024シーズン、16年ぶりにJ1の舞台に戻ってきた東京ヴェルディは、シーズン開幕前には降格候補に挙げられていた。チームの予算規模で言えば、J2にいてもおかしくはないクラブが起こした旋風の影響は、今冬の移籍市場でも明確に表れていたようだ。1月7日に行われた新体制会見で、城福浩監督が選手との交渉の中で感じた変化を語った。 【写真】SNS騒然「匂わせですか?」「大型補強キタ」 無所属のS・ラモスのJクラブユニ着用姿 この数年間、東京Vのファン・サポーターにとって、オフシーズンは嫌な季節だっただろう。前のシーズンに活躍した選手たちが次々と他クラブへ買われていく“草刈り場”となっていたからだ。だが、今オフはレンタル移籍で加入していたFW木村勇大(前京都サンガF.C.)、FW染野唯月、DF林尚輝(ともに前鹿島アントラーズ)、FW山見大登(前ガンバ大阪)を完全移籍で獲得。10番を背負っていたMF見木友哉(現アビスパ福岡)らの移籍はあったが、例年以上に主力を留め、昨季のベースを保つことができた。 城福監督によれば、彼ら以外の所属選手たちも「(昨季の)最後の2試合くらいは、みんな色んなクラブから声がかかった中で戦っていた」という。それでも、主力のほとんどが残留し、さらに上記4人の完全移籍にも成功。このオフの成果について指揮官は、経営陣に感謝しつつ「4人を買い取れた。決して安い額ではない。クラブに頑張ってもらい、そういう選手が保有選手になったのは、我々のステージが『J2にいつ落ちてもおかしくないクラブ』から1つ上がったのかなと思います」とその意義を語った。 さらに、ガンバ大阪からDF福田湧矢、ジュビロ磐田からパリ五輪を戦ったU-23日本代表DF鈴木海音とMF平川怜と、他クラブも注目していた高いポテンシャルを秘める若手の獲得にも成功した。オンラインで彼らとの交渉にも関わったというJ1最年長監督は「今までだと、冬のストーブリーグは連戦連敗からスタートしていた」というが、その流れがこのオフに変わったと明かす。