「脱炭素化ビジネス」を中東外交の新たなレバレッジに位置付けよ――岸田首相の湾岸諸国歴訪が持つ意義とは
(C)Rainer Lesniewski / Shutterstock.com
リトアニアで開催されたNATO(北大西洋条約機構)首脳会合に出席した岸田文雄首相は、その帰路にてサウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、カタールの3カ国を7月16日から18日にかけて訪問した。日本の首相によるサウジ、UAE訪問は3年半ぶり、カタール訪問は10年ぶりとなる。 驚くべきことに、日本の首相による中東訪問は、通算で9年近く在任していた安倍晋三首相を除くと2006年の小泉純一郎首相以来のことである。安倍首相が中東へ外遊したのは10回、延べ訪問国数は26カ国(そのうちUAEが4回で最多訪問)。この16年間、中東における日本の首脳外交は安倍カラーに染められたものであり、それ以外のものを見ることはかなわなかった。 今回の岸田首相の訪問の概要は 外務省のホームページ にて総花的にまとめられているが、特筆すべきことは以下の2点に集約されている。
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村上拓哉