【密着】カナダ バンクーバーに日本のカレー店をオープン さらに次々と新たな事業に挑戦する息子へ届ける母の想い
今回の配達先は、カナダのバンクーバー。ここでカレー店を経営する森川慧矢さん(37)へ、兵庫県で暮らす母・由美子さん(62)、妹・亜美さん(35)が届けたおもいとは―。
幼い頃から好奇心旺盛 カレー店が落ち着く時間になると別の顔も…
2020年、慧矢さんはバンクーバーのオフィス街にカレー店「Mr.Japanese Curry(ミスタージャパニーズカレー)」をオープン。カナダには居酒屋やラーメン屋など日本の料理店やインドカレー店は数多くあるものの、開業当時は日本式のカレーライスの店は全くなかったそうで、料理は素人だったが勝負に踏み切ったという。「自信はなかったですけど、『やってみたい』という好奇心の方が強かった」と慧矢さん。イチから手作りする本格的なルーは、実家がある加古川市の食品工場に直談判し、何度も通って特別にレシピを伝授してもらったもの。手探りで始めた店は、いまや多くの地元のお客さんで賑わっている。
幼い頃から好奇心旺盛で、良いと思った事はとにかくやってみる性格。高校卒業後は父の勧めもあって広島の大学に進学したが、興味の赴くままアルバイト三昧の毎日をおくった。なんとか卒業しIT企業に就職するも、今度は海外に行きたくなり、2年で退社。だが結局すぐには渡航せず、夜の仕事に就くなど紆余曲折の末、「このままじゃダメだ」と奮起し、英語を学ぶためフィリピンへ。1年間働いた後、ひとりでやってみようと10万円だけを握りしめてカナダへ渡ったのだった。 カレー店が落ち着く夕方、空いた時間をみつけては足を運ぶ場所が、地元で酒を扱う店。慧矢さんは「絆酒」というカナダで製造している日本酒の営業という顔も持ち、販売店を訪ねているのだ。絆酒の拠点があるのが、バンクーバーから内陸部へ5時間、ワインの産地として知られるオカナガン。この地で、2016年に番組でも取材した杜氏の春日井敬明さんが日本酒を造っている。実は将来、「カナダで温泉ビジネスをやりたい」という野望を持つ慧矢さんは、温泉には欠かせない日本酒に着目。そして2年前、春日井さんとオーナーのカンさんがリッチモンドからオカナガンに酒蔵ごと移転して会社を設立したときに、「何でもやります」と名乗りを上げ、仲間入りしたのだった。