【密着】カナダ バンクーバーに日本のカレー店をオープン さらに次々と新たな事業に挑戦する息子へ届ける母の想い
いつもカバンに忍ばせ日々確認する“未来予想図”
そんな慧矢さんがいつもカバンに忍ばせているのが、自分の人生設計を書き出した計画書。「30代 軍資金をためる」「40代 大きな事業に打って出る」など、60歳、あわよくば80歳までの人生でやり遂げるべき事柄が並び、日々ファイルを取り出してはちゃんとできているか確認しているという。 そこまでの“未来予想図”を作るきっかけとなったのが、7年前、父・賢一さんから掛かってきた突然の国際電話。末期のすい臓がんで、余命が半年だという連絡だった。慧矢さんが日本に帰国できたのは2か月後で、その6日後、父は59歳で他界。カレー店も孫の顔も見せることは叶わなかった。 父は、慧矢さんが妻・カトリーナさん(30)と結婚するときに、森川家の家系図や仕事、趣味などを20枚ほどの資料にまとめ、彼女の家族にプレゼンするような人だった。そんな父がずっと言っていた言葉が「感謝 感激 感動」。慧矢さんは今もその言葉を強く噛み締めて毎日をおくっているという。 最初は、飲食が未経験だったことや、妻子がいる中でもさまざまなことに挑戦する様子を心配していた母・由美子さんと妹・亜美さん。だが、亡き父の言葉を胸に目標に向かって突き進む慧矢さんの姿を見て涙を浮かべる。また、2人は父との共通点にも気づいたようで、由美子さんは「主人も先々のことを考えてメモをしていく人だったので、そこがよく似ているなと思って…」と明かす。
次々と新しい試みに挑み続ける息子へ、母からの届け物は―
カナダへ渡り11年。次々と新しい試みに挑み続ける息子へ、母からの届け物は1本の古びたカセットテープ。そこには、赤ちゃんの頃の慧矢さんをあやす父の肉声が入っていた。懐かしい声に耳を傾けた慧矢さんは胸に去来するものがあったようで、「もうちょっと家族に時間を使いたいとはっきり思いました」と語る。さらに、「『感謝 感激 感動』ってなかなか言葉で伝えるのは難しかったりするけど、でも心に留めてるだけでは伝わらない部分も多い。これからは自分の言葉でお父さん、お母さん、家族に、『ありがとう、大好きだよ』って伝えていきたいと思います」と決意するのだった。 (読売テレビ「グッと!地球便」2024年10月13日放送)
読売テレビ「グッと!地球便」