サッカー日本代表・南野拓実が明かす「取り戻した自信」
南野「でも、蹴る前は決めることしか考えてないですからね。大会中にPKの練習をしていて、そこではうまくいっていたのでチームを勢いづかせるためにも『最初に行かせてほしい』と言ったのですが......」 ――またPK戦になったら? 南野「蹴りたい。っていうかそう言える立ち位置にはいたいと思います」 ■「今の代表のメンツを見れば......」 「南野左サイド問題」――。日本代表を囲むメディアやファンの間でたびたび話題になるキーワードだ。例えば、今年1月のアジア杯初戦のベトナム戦で、南野はトップ下で先発すると2得点1アシストと躍動したが、続くイラク戦で左サイドにポジションを移すと思ったように機能せず、チームも敗戦。すると、南野の起用法や適正ポジションがネット上で広く論じられた。 ――代表での起用法が話題になったこともありますが、気になるものですか。 南野「別に気にしてないですよ。選手としては与えられたポジションで機能できなければ自分のせいですし、いちいち気にしても仕方ないですから。中央でのプレーのほうがやりやすいのは確かですが、それは本当に戦い方によるので。今のモナコでは4-4-2のサイドでも、まったく問題ないですし。 でも、サイドに張るウイングのようなプレーは得意じゃない。その意味で、今の代表には僕よりもサイドの適性のあるスペシャリストがたくさんいるし、その中で僕が真ん中でプレーせざるをえない状況になれば、それが一番いいのかなって」 ――日本はW杯で長くベスト16の壁を越えられずにいます。最後に、その壁を越えるためには何が必要か、南野選手の考えを聞かせてください。 南野「それがわかれば簡単ですが、結局、誰にもわからないじゃないですか。ただ、僕は(W杯のような大舞台で)何が勝敗を分けるかといえば、50%以上はメンタルだと思っているんです。 だから、あとはどれだけ自信を持って、いつもどおりプレーできるかがカギ。今の代表のメンツを見れば、欧州のビッグクラブでやっている選手もいるし、対戦相手と比較しても負けていない。もちろん、試合に勝つには多少の運も必要になりますが、ベスト16の壁を突破できる力は十分あると思っています」 ●南野拓実(Takumi MINAMINO) 1995年生まれ、大阪府出身。2013年にC大阪のトップチームに昇格。15年からザルツブルク(オーストリア)で、20年からリバプール(イングランド)でプレーし(サウサンプトンへの期限付き移籍期間も含む)、22年にモナコに加入。174㎝、68㎏。日本代表59試合出場21得点 取材・文・撮影/栗原正夫 写真/アフロ 時事通信社