「この部分の耐荷重が気になる」猫様お気に入りの換気扇の上 メーカーの回答に反響 「そこをニャンとか」
メーカー的には、どうしても
パナソニック ハウジングソリューションズに聞きました。答えてくれたのは、水廻りシステム事業部の塚元伸二さんと、綾部香織さん。 まず、レンジフードのあの〝ひさし〟部分、正式名称はないそうです。 では、何キロまでなら乗せても大丈夫なのか聞いたところ、そもそも「耐荷重」が設定されていないとのこと。塚元さんは「物を置く設定にしていないので、何も載せないでほしいです」と指摘します。 レンジフードが変形したり、重さに耐えきれず落ちてくるという危険もあるそう。では、空き箱など軽いものならどうでしょう? 「やっぱり、メーカー的には大丈夫とは言えないです……。耐荷重などの問題以前に、調理中に上から物が落ちてきて、コンロの熱い油に入ったら……。お客様や猫様にけがをさせてしまうことになりますので」 Xでは、ネコがレンジフードに乗れないように物を置いて阻止するなど予防策のアイデアも上がりましたが、「メーカーとしては、『これなら良い』とは言えないので、苦しいところです」。
それなら「ひさし」なんているのか
では一体なぜ、ネコが乗りたくなったり、物を載せたくなったりするような〝ひさし〟がついているのでしょうか。 そもそも、この〝ひさし〟は、最近主流になっている「スリムデザイン」のレンジフードについているもので、従来使われてきたコンロの上を覆うような「ブーツ型」にはないものでした。 スリム型は、キッチンが独立したものでなく、リビングやダイニングと一体になった「対面キッチン」などが人気になるにつれ、主流になってきているそう。 「キッチンも家具のように空間になじむように見せたいという要望が増えて、レンジフードも『存在感』をより抑えたものにする人が増えたのです」と綾部さんは話します。 存在感ごと〝薄く〟小さくなっていったレンジフード。でも「ひさし」は残りました。理由は「消防法」。 「消防法」によると、レンジフードは、ガスコンロやIHなどトッププレート(火を使用する設備)の寸法以上にすること、と決められているそうです。 一方で、上に伸びる換気扇やダクトなどは排気量が確保されていればサイズについては規定がないため、できるだけ「スリム」にすることができたそう。 結果として〝ひさし〟のように残ってしまった部分ですが、そこにも大事な役目がありました。 整流板という煙の吸い込み口があるのです。スリムで頼りなく見えるものの、トッププレートの広い範囲から効率的に油煙を吸い込むことができるような仕組みになっているそうです。