元日本代表GK南雄太が「世界の超一流GK」を分析する ドイツ代表ノイアーの常識を超えたビッグセーブに衝撃
【新連載】南雄太「元日本代表GKが見た一流GKのすごさ」第1回:マヌエル・ノイアー(ドイツ) 【写真】あの人は今~1994年Jリーグ得点王「オッツェ」今昔フォトギャラリー 15年にわたってドイツ代表のゴールマウスを守り続けてきたバイエルン・ミュンヘンのマヌエル・ノイアーが、自身のSNSで代表引退を発表した。 38歳という年齢を考えれば、たしかに驚きのニュースとは言えないかもしれない。だが、ノイアーという世界最高峰のGKが代表シーンから退くことに、一抹の寂しさを覚えるサッカーファンは多いのではないだろうか。 シャルケ時代は元日本代表DF内田篤人のチームメイトでもあったノイアーが、ドイツ代表デビューを飾ったのは2009年のこと。その後、4度のワールドカップを経験している。 2014年ブラジルワールドカップでは、4度目となるドイツ優勝の立役者にもなった。その大会で不動の守護神は、それまでペナルティエリアが主な仕事場だったGKのプレースタイルを覆し、フィールドプレーヤーとしての役割も担う新しいGK像を世に知らしめた。 その意味で、ノイアーは画期的かつ革命的なGKと言っても過言ではない。そんな歴史的GKのすごみは、いったいどこにあるのか? 現在、横浜FCフットボールアカデミーサッカースクールのGKクラスのコーチをはじめ、流通経済大学付属柏高等学校や社会人チームFCグラシオン東葛のGKコーチも務める南雄太氏に、あらためてノイアーのプレースタイルについて解説してもらった。 ※ ※ ※ ※ ※ 「いちばんのすごみは、何と言っても『アスリート能力の高さ』ですね。走るスピードをはじめ、ジャンプ力やパワーなど、現代GKに必要とされるすべての要素を兼ね備えていて、それぞれの能力がトップレベルにあるというのが、彼のバックボーンになっています。 もちろん、足もとの技術の高さについても周知のとおりです。左右両足が使えるうえ、ビルドアップ能力が抜群に高く、判断力も申し分ありません。DFラインの背後のエリアをあれだけ広くカバーできるのは、そういったあらゆる能力が揃っているからこそだと思います。 しかも、前に出た時の五分五分のボールに対し、普通のGKだとクリアすることが多いのですが、ノイアーには正確な技術と判断力があるので、五分五分のボールでもしっかり味方につなぐことができます。