2時間後に固定電話が利用停止!?「総務省監視管理室」から我が家に怪しい電話がかかってきた
困った時の相談ダイヤル
ただ、この記事を読んでいる諸兄諸姉の中には「自分はともかく、実家の両親はこのテの詐欺にやられてしまうのでは……?」と不安に感じている人もいるかもしれない。 これは、大都市で働く人の悩みでもある。東京から遥か遠くの実家にいる両親が、「総務省からの留守電」を信じて1を押してしまったら? このあたりもひとつの介護と言えるかもしれないが、ともかくここでは「#9110」の利用をお勧めしたい。 この番号は、中高年世代にはまだあまり浸透していない。電話をかけた地域を管轄する警察へつながるダイヤルだが、110番と違うのは「緊急性のない事案の相談に特化している」という点だ。DVや嫌がらせ、悪質商法、特殊詐欺についての相談なども想定している。 この#9110、何と1989年からあるそうだ。しかし、恐らく警察の広報不足もあって長らく「一部の人だけが知っている番号」だった。1991年に小学校に入学した筆者自身、「110番は警察の番号」ということは小学生のうちから習得したが、#9110なる番号について先生から習った記憶は全くない。 筆者よりも上の世代の人なら尚更のはずで、ここは今一度#9110を「いざという時の相談窓口」として認識しておきたい。
とりあえず冷静になろう!
また、この記事が出た頃には「総務省監視管理室」を名乗る手口は古いやり方になっている点も考慮するべきだろう。 犯罪の手口というものは、メディアに解説されて万人の常識になったらそれ以降は使われなくなる。特殊詐欺とは新しい手口を誰かが考え、それを実行し、また別の手口を考えて……の繰り返しなのだ。 しかし、ひとつ確実に言えるのは「特殊詐欺は対象者の不安を奇襲的に煽る」ということだ。 たとえば、ある日突然見知らぬ他人から「あなたを訴えます」と言われたら、動揺しない人のほうが少ないだろう。直後、「解決案があります」と同じ人物に提案されたら、大抵の人は一瞬でもそれにすがろうとしてしまうのではないか。 即ち、これが「特殊詐欺の雛形」である。 ただし、ここは冷静に考えていただきたい。理由はどうあれ、「今日中に金を振り込め」というのは無礼千万ではないか? なぜ、早急に金を必要とするのか? そうしたことをひとつひとつ考えていけば、そこには必ず矛盾がある。殺人の完全犯罪は実現不可能と言われているが、特殊詐欺もどこかに必ず「ほころび」が存在するのだ。 以上のことを心に留めておけば、特殊詐欺の電話も難なく受け流せるだろう。 【参考】 警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ-政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201309/3.html 文/澤田真一
@DIME編集部