来年実施予定の実証運行ルート

和歌山市は、路線バスの運転手不足対策や観光客の新たな移動手段の確保を目的に整備を進めている自動運転バスについて、運転手が乗車し状況に応じて自動運転から手動運転に切り替える「レベル2」の実証運行を来年1月末から2月にかけて実施する。レベル2の実証運行は、今年2月に続いて2度目。 運行するのは、JR和歌山駅から和歌山城の周辺を経由して同駅に戻る循環ルートで、距離は約5・3キロ。今年2月に実施した実証運行は約1・8キロのルートで右左折はなかったが、今回は左折3カ所、右折1カ所が含まれる。さらに信号機の変化をバスが電波で受信できるか調べたり、バスに搭載されたカメラが撮影する映像を遠隔で確認したりする。 車両は小型EV車1台を使用する。最大速度は時速19キロで定員は12人。事前予約制で市民のほか観光客にも無料で乗ってもらい、課題を確認する。実証期間は来年1月29日から2月7日の10日間を予定しており、運行時刻などは今後詳細を決める。 和歌山市内の公共交通を巡っては昨年12月、和歌山バスが利用者数の減少や運転手不足の影響で、一部路線について廃止の方針を発表。市が補助金を出して路線が継続されることになったものの、抜本的な解決策は依然として模索中だ。 市は今後も自動運転バスの実証運行を行い、将来的には一定の条件下で無人運転が可能な「レベル4」を目指す。尾花正啓市長は「路線バスの運転手不足など地方の課題に対し、自動運転バスはいい結果をもたらしてくれるのではないか。公共交通に乗ってもらい維持拡大につなげたい」と話した。