実態は“風俗スカウトの草刈り場”小池都知事肝いりの若者向け相談施設で2名の逮捕者…関係者が語る“無法地帯”ぶり
警視庁少年育成課は9月10日までに、東京都が5月に開設した新宿・歌舞伎町の若者向けの相談施設「きみまも@歌舞伎町」で、来場者の女性にわいせつ行為をしたとして、都迷惑防止条例違反の疑いで、新井風月容疑者と、青木涼太容疑者を逮捕した。 【写真あり】事件が起きた「きみまも」 「新井容疑者は7月に、また青木容疑者は同月の別の日に、それぞれ女性を連れて施設を訪問しました。新井容疑者は来場者の女性の下半身を触った容疑で、青木容疑者は性的な行為を勧誘する発言を来場者の女性にした容疑です。それぞれ容疑者に連れてこられた女性も、現在、事件への関与について取り調べを受けています。 『きみまも』は当時、若者が自由に出入りできる状態で、多い時は50人以上の若者が集まっていたようですが、今回の事件で、施設の管理状況がかなり悪化していた可能性が指摘されています。 2020年に、暴力団関係者ら総勢100名が、歌舞伎町を舞台に風俗店のスカウトらを追いかけ回し、暴行をおこなった“スカウト狩り事件”が起きました。じつは、今回、逮捕された2人は、そのときの暴力団と関係のある人物でした。さらに新井容疑者は、歌舞伎町にたむろする“トー横キッズ”を取材中の報道機関記者を脅した容疑で、逮捕されたこともあります」(社会部記者) この事件について、吉住健一新宿区長は自身のXアカウントに、 《困難な課題を抱えている若年層の受け皿での事件は避けられないことだと考えています》 と投稿した。しかしそもそも、事件を起こしたのが暴力団と関係のある者だったことで、批判的なリポストがあふれる結果になった。 《これが区長の見解か 信用ガタ落ちなのに》 《今まで起きなかった事が #きみまも スタート3ヶ月で起きたというのに「避けられない」という事は、性被害を前提に施設を作ったという事ですか? 無責任じゃ無いですかね?》 《対策しても避けられないじゃなくて、お前のはなんの対策もみせず予想通り被害者出しただけだろ》 いずれにせよ、同施設にとって、今回、逮捕された2人は招かれざる人物であったのは間違いない。しかし同施設では、開設直後から、利用者による不良行為が目立っていたという。少年少女の非行予防の支援活動をするNPO法人の男性が、匿名を条件に本誌の取材にこう答えた。 「職員や相談員がいる場所は、利用者が使うフリースペースから遠く、奥のほうはほとんど目が届いていない感じでした。インスタント食品の食べ残しや、明らかに薬物の過剰摂取と思しき量の、市販薬の箱が床に捨ててあったりもしました。 夏休みに入ってからはとくに利用者が増え、シェルターというより、ただの休憩所のようでした。性風俗のスカウトも利用者に混じっていて、あちこちで声をかけていました。行き場のない女の子が勝手に集まるのですから、効率がよかったんだと思います。まさに“風俗スカウトの草刈り場”になっていたんです。無法地帯ですよね」 「きみまも」事業そのものは、豊島区内の社会福祉法人が都から約9000万円の委託費を受けて運営している。となれば、設置から4カ月で事件を起こした運営側はもちろん、事業を承認した小池百合子東京都知事の責任も大きい。 「小池百合子都知事は、都知事選後の8月3日、まっさきにこの施設を視察しました。吉住区長を連れだって、30分程度ですが、事業の説明を受けています。すでに1600人以上の利用者があったことの報告を受け、満足気でしたが、そのときには、すでに利用者が被害を受けていたことになります。現在、同施設では利用前に身分証明書の提示などを義務化しているようですが、匿名で利用できないのであれば、肝心の相談事業に支障があるのは明らか。犯罪の温床となるのか、誰も相談に来ない無意味な施設になるのか……。なんらかのアイデアが必要です」(前出・社会部記者) 30分しか視察していない小池都知事に、いいアイデアが浮かぶはずもない。
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