【加部究のフットボール見聞録】膨らみつつある大学生フットボーラーの可能性
「高体連出身なのか、ユース育ちなのかは、すぐに分かる」
天皇杯2回戦で明治大は川崎に0-1と惜敗。あと一歩及ばなかったが、FC東京内定の安部⑨らの健闘が光った。(C)SOCCER DIGEST
ひと昔前の大人は、概して体育会系が大好きだった。企業人も学校の先生も速やかな上意下達を常識と捉えていたから、「どうして?」と口を尖らせる新入社員や子どもたちには、生意気で面倒なヤツとレッテルを貼られる運命が待っていた。 大学で指導経験を持つコーチが、笑って教えてくれた。 「高体連出身なのか、ユース育ちなのかは、すぐに分かります。前者は何を話しかけても『はい、大丈夫です』と元気良く受け入れる。一方、後者は自信過剰なくらい、自分の言葉で饒舌に話します」 思い出したのは、スペインでの指導経験を持つコーチの話だった。 「日本の子どもたちは、『これをやれ』と言えば黙って始める。でも、スペインの子は、練習メニューが効果的だと納得しなければ帰ってしまう」 単純にスペインに近づきたければ、上司や先生が嫌がる面倒な子を育てるべきだとの仮説が成り立つ。
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