世界初の木造人工衛星、ISS到着 日本企業と大学が開発 プロジェクト支えた伝統技術
■宇宙環境でも劣化なし 月では「6倍の高さ」に?
人間が宇宙で社会を作るには生活拠点が必要になってくる。こうした拠点を作るうえでも「木」が注目されている。 元宇宙飛行士で京都大学の土井特定教授、そして一緒に研究をしている村田功二教授に話を聞いた。 2人によると、木はおよそマイナス100℃からおよそプラス100℃まで物性が変化せず安定し、断熱性が高いという。また、宇宙空間には酸素も水分もないため燃えることも腐ることもなく、様々な実験から木は宇宙環境でも劣化せず長く使えるということだ。 その木は将来、人間が生活することが期待される月などでもメリットがあるという。月の南極・北極には水があると言われていて、例えば空気を満たしたドームなどを作れば、木を月で生やすことは可能になるという。 また、火星には二酸化炭素の大気と水もあり、月よりも全体的に温度が高いことから、光合成によって人間に必要な酸素を作ることができるとし、月よりも木を育てる環境がいいのではと見ている。 そんな宇宙空間でもメリットが多い木だが、育てるうえでも大きなメリットがあり、木の高さは重力に関係するという。「月の重力は地球の6分の1なので、月の木は地球の木と比べて、6倍の高さに伸びるとのでは」と土井特定教授は話し、そうなると1本の木からたくさんの材料が取れると期待している。 今後の展望について村田教授は、「地下資源は枯渇するが、木は育てればなくならない再生可能資源。人間が長期的に月や火星などで住むうえでの居住空間作りに大きく役立つことを期待している」と話している。 (「大下容子ワイド!スクランブル」2024年11月11日放送分より)
テレビ朝日