シンエンペラー（2024年8月21日撮影）

　日曜（6日）のG1凱旋門賞（芝2400メートル、パリロンシャン）の参戦予定馬は1日現在、18頭となっています。 　このうちA・オブライエン厩舎のオペラシンガーは、同日に行われるG1オペラ賞に向かう可能性が高く、代わってG1ヴェルメイユ賞の勝ち馬で事前登録のなかったブルーストッキング（牝4、父キャメロット）が追加登録して参戦する模様になっています。 　雨にたたられて馬場状態に恵まれないイメージの強い凱旋門賞ですが、舞台となるパリロンシャン競馬場では、馬場作業のスタッフを通常の30人から80人に増やして対応。コースを乾燥させるために芝の丈を10センチにそろえてカット、同時に堅くなった馬場をほぐすエアレーションや土壌改良剤の散布で、多少の雨には負けない理想の馬場作りをめざしています。 　競馬場周辺の日曜の天気予報は曇りで、週中の雨が残ってもレース当日の馬場状態は、日本のやや重（昨年と同程度のヴォンスープル）となるものとみられていて、前売りでソジーに次ぐ2番人気に上昇しているシンエンペラー（牡3、矢作、父シユーニ）の決め手が生きる舞台に近づきそうです。 　一昨年はレース直前の土砂降りに見舞われてアルピニスタの勝ち時計は2分35秒71とかかりましたが、好天に恵まれた昨年は、00年以降で3番目に速い2分25秒50を記録。大外一気に強襲したエースインパクトの強さだけが目立ちましたが、勝ち馬の33秒05をはじめ、5着までに入線した馬の上がり3ハロンタイムは、すべて34秒を切るハイレベルな一戦で、強靱（きょうじん）な末脚が好走の必要条件となりました。 　A・オブライエン師が馬場が悪くなりそうなら回避と伝え、火曜の段階で出否未定となっているオーギュストロダン（牡4、父ディープインパクト）が翻意して出走に踏み切る可能性も出てきて混戦ムードに拍車がかかっています。【ターフライター・奥野庸介】（ニッカンスポーツ・コム／極ウマコラム「ワールドホースレーシング」）