シンエンペラーにとって今年の凱旋門賞はチャンスあり！？

【蛯名正義コラム】 　東スポ読者の皆さま、１か月のご無沙汰でした。調教師の蛯名です。 　９月の蛯名厩舎は２勝。ランドオブラヴ、ホウオウムサシと勘定に入れていた馬がきっちり勝ってくれましたが、一方で２着が４回、３着も１回あったように、勝ち切れなかった…との思いも残る１か月間でした。 　そんな中で先日、ＪＲＡから来年の番組についての発表がありました。宝塚記念の開催時期の繰り上げや、重賞の新設、レース名の変更の他、暑熱対策の拡充も大きなトピック。今年は新潟で２週間だけ行った“中休み”の時間を設ける開催を、来年は新潟、中京で４週にわたって行うとのこと。近年は夏の暑さが本当に深刻ですから、やむを得ない措置なのかもしれませんね。 　暑熱対策といえばウチの厩舎でも今年はいろいろと知恵を絞りました。調教の工夫はもちろん、ミストや冷風などで、調教後の馬をいかに冷やしてやるか…。気温や各馬のコンディションにもよるので、確実な“正解”はないのですが、来年以降も頭を悩ませるテーマとなりそうです。

いよいよ凱旋門賞！

　さて今週末はフランスでいよいよ凱旋門賞が行われます。日本からはシンエンペラーが挑戦しますが、個人的には結構チャンスがあるんじゃないかと思ってるんですよ。血統背景はもちろん愛チャンピオンＳも敗れたとはいえ、決していっぱいいっぱいの競馬ではなかったので…。しっかりレース経験を積めた上で余力も残せたのはいいこと。坂井瑠星騎手の手綱も含めて期待したいです。 　あとはもちろん（武）ユタカが乗るアルリファーにも注目。ベルリン大賞の勝ちっぷりは圧巻でしたし、こちらは馬場が渋ってもこなしそうなイメージ。下馬評では今年の凱旋門賞は混戦ムードだそう。日本のシンエンペラーと、ユタカ＆松島オーナーのアルリファーには頑張ってほしいですね。 　１０月の蛯名厩舎からはＧⅡ富士Ｓ（１９日、東京芝１６００メートル）を予定しているレッドモンレーヴに注目を。この中間は心身ともに非常に充実していると感じています。メンバーも揃うと聞いていますが、昨年（２着）以上の結果を期待しています。