中国、国境炭素税などの措置巡る協議要請 COP29で
[ブリュッセル 5日 ロイター] - 来週開催される第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)で、中国が新興国に打撃を与えていると主張する国境炭素税などの「制限的な貿易措置」に関する協議を要請していることが分かった。ロイターが文書を確認した。 文書によると、中国はブラジル、インド、南アフリカを含めたグループ「BASIC」を代表し、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局に「気候変動関連の一方的な貿易制限措置に関する懸念」に関する協議を COP29の議題として追加するよう提案した。 「BASIC」諸国は、森林伐採防止規制や国境炭素税など、気候問題に関連する欧州連合(EU)の貿易政策措置を厳しく批判してきた。中国とインドは炭素国境税が保護主義的だとし、新興国側に不当にペナルティーを科すものだと批判している。 一方、EUは、気候関連の政策措置が遅れている国々からの安価な輸入品に欧州の産業が対抗するには、炭素国境税が必要だと主張している。 提案が撤回されなければ、COP29冒頭で示され、議題として採用するかどうかを諮ることになる。その場合、気候変動に対処する資金調達に関する承認といった主要議題に費やすための時間が削られる恐れがある。 外交筋によると、この中国の提案に対し、EUは世界貿易機関(WTO)で議論されるべきだとして反対する可能性が高い。