ロンバード・オディエ、中国株をすべて売却-反発局面でも購入せず
(ブルームバーグ): マイケル・ストローバーク氏が昨年11月にスイスのプライベートバンク、ロンバード・オディエに最高投資責任者(CIO)として入社した際、最初に行った大きな動きの一つは、中国株と中国債をすべて売却することだった。
「中国資産をすべて売却した」とストロバーク氏は27日のインタビューで語った。代わって、米国株、米国債、ドル建て資産に投資先シフトさせ、それが「非常にうまくいった」という。
中国当局が先週、景気刺激策を矢継ぎ早に打ち出し、同国株の指標は2008年以来の大幅上昇となっているにもかかわらず、ストロバーク氏は後悔していない。
同社の中国株への配分比率は約6%だったが、現在ではゼロだとストロバーク氏は述べた。ロンバード・オディエの運用資産総額は2090億スイス・フラン(約35兆4000億円)で、その大半は個人顧客の資産。資産運用部門が運用する資金は約630億フランだという。
先週中国が打ち出した景気刺激策が、より広範な中国株反発のきっかけになるかどうかについて、投資家の間で意見が分かれている。富豪の投資家、デービッド・テッパー氏は、中国政府の対策が予想を上回るものだったとして中国関連の「あらゆるもの」をさらに購入するつもりだと述べた。 ユーリゾンSLJキャピタルのスティーブン・ジェン最高経営責任者(CEO)は27日の顧客向けリポートで、中国株の「本格的な上昇は十分にあり得る」とコメントした。
昨年クレディ・スイスからロンバード・オディエに入社したデンマーク人のストロバーク氏は、そうは考えていない。
同氏は「景気刺激策が株式市場や経済に持続的な影響を与えるとは思わない」とし、「これは、一部の感情を盛り上げるための短期的な対策だ。率直に言って、政府が資本市場に実質的な形で関与することは通常、良い兆候ではないと私は考えている」と語った。
今年、米国株で利益を上げた同氏は、現在株価が高騰していることを踏まえ、削減を検討している。