シャンパンファイトするタイガースの選手たち（AP）

◇２日（日本時間３日）　ア・リーグ　ワイルドカードシリーズ第２戦　アストロズ２―５タイガース（ヒューストン） 　ア・リーグ中地区３位で初戦で勝っていたタイガース（第６シード）は敵地の第２戦で同西地区１位のアストロズ（第３シード）に逆転勝ち。連勝の『下克上』で１１年ぶりのポストシーズン（ＰＳ）シリーズ勝ち抜けを果たし、ガーディアンズ（第２シード）が待ち受ける５回戦制の地区シリーズに駒を進めた。 　１勝１敗のタイに戻せば第３戦に先発予定だったアストロズの菊池雄星投手（３３）は、ＰＳの出番なく２０２４年のシーズンを終えた。 　『５００分の１の奇跡』をくぐり抜けた勢いは本物だった。タイガースは８月１１日時点で５５勝６３敗に低迷し、ＰＳ進出へのボーダーラインであるワイルドカード３位には１０ゲーム差。その時点で、ＰＳ進出確率は「０・２％」だった。 　だが、そこから３３勝１３敗と怒濤（どとう）の進撃で、終わってみれば８６勝７６敗。マリナーズを１ゲーム差で振り切ってワイルドカード３位を射止めると、昨季まで７年連続でリーグ優勝決定シリーズに進出しているアストロズをも撃破し、『ジャイアントキリング』を成し遂げた。 　試合後のクラブハウスはもちろん、お決まりのシャンパンファイト。ヒンチ監督の号令は「みんな、聞いてくれ。このシリーズの前、みんなが『タイガースはポストシーズンの試練にさらされた経験がない』と言っていた。たったいま、われわれは今年最大の試練に合格した。だが、まだ続きがある。分からないぞ。先に進もう」 　ここで何人かが先走ってボトルの栓を抜くと、指揮官は「待て待て」と静止し、「聞いてくれ。どこの誰だか分からないが、虎たちに火を付けたということだ」。すると、全員が雄たけびを上げて開栓し、監督は一瞬でずぶぬれになった。