「生命保険の受取人になれる」長男の妻・村上敦子被告に売春強要された次男・直哉被告の母『胃がん』の男性と再婚させられ手にした2000万円 そのあと聞いた自分の殺害計画「崖から突き落そう」#4
検察: 「どのように頼んだ」 実母: 「敦子の実姉の家に隆一くんを呼び、私と隆一くん、敦子の実姉夫婦の4人で話をした。そこで私を殺そうと敦子たちが相談しているところの録音を聞いた」 検察: 「録音の内容は」 実母: 「『旅行に誘い、そこで崖から突き落とそう』『それでもヒクヒク生きているなら死ぬまで繰り返そう』と話していた」 実母は、自分が殺される理由として「美人局の口封じ」や「保険金目当て」を挙げた。隆一さんから20万円ほどを受け取り、2022年5月7日、実母は県外に逃亡した。逃亡先では仕事を見つけ、貧乏ながらも普通の生活を送れていることが「幸せ」と実母は語った。実母が逃亡した約1年後、隆一さんは殺害された。 ■敦子は「いつも安全な場所にいるずるい人」 検察は最後に、被告らへの思いを尋ねた。 検察: 「敦子被告に言いたいことは」 実母: 「あなたは自分の安全のために周りの人を『駒』にしていた。あなたはずるい人です。頭が良い人でもあったが使い方を間違えていた」 直哉被告の実母は声を震わせ、ところどころ言葉を詰まらせ、直哉被告への思いを口にした。 検察: 「直哉被告に言いたいことは」 実母: 「隆一くんは直哉をとてもかわいがっていた。そんな父親に対して…、なんてことをしたのか。自分の罪に向き合って立ち直って欲しい」 実母が話す間、敦子被告は落ち着いた様子で前を向いたままだった。それと対照的に直哉被告は、実母の話を聞きたくないのだろうか、耳をふさいだり、頭を抱えたりと終始落ち着かない様子だった。後の公判で直哉被告は「実母の話は嘘ばかりで悔しかった」と話していた。 ■公判の争点「敦子被告が殺人に関与したか」 改めてこの裁判の争点を整理したい。初公判で直哉被告は隆一さんの殺害を認めた一方で敦子被告との共謀は否定した。敦子被告は、「共謀も殺害もしていない」と否認した。すなわちこの裁判の争点となるのは「敦子被告が殺人に関わったのか」という点だ。今回の証人尋問で直哉被告の実母は「周りの人を『駒』に自分は安全な場所にいる」と口にした。敦子被告にとって直哉被告は『駒』だったのか。これからの公判で真実は明らかになるのか。
判決は11月25日に下される。
東北放送
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